TOP「学び舎」講座>C.S.ルイス『痛みの問題』を読む




 C.S.ルイスの『痛みの問題(The Problem of Pain)』は、『キリスト教の精髄』とならび、ルイスが一般向けに書いたキリスト教についての極めて質の高い入門書です。
 
神が存在するとすれば、どうしてこの世には「痛み」や「苦しみ」が存在するのか。また反対に、人生における「痛み」や「苦しみ」を前にして、どうして神の存在を肯定することができるのか。「痛み」や「苦しみ」があるからこそ、人は神へと導かれていくのか。
  このような問題について、この書物以上に深くかつ分かりやすく掘り下げて考察した本を他に知りません。
  この世界のなかに、そして自分自身のなかに充ち満ちている様々な「痛み」「苦しみ」「悪」に直面するたびに、私は、二十年以上にわたってこの本を開き、そこから様々な洞察と導きを与えられ続けてきました。

「わたしが無神論者であったころ」という言葉で始まるこの作品は、悪に満ちているこの世界においてなぜルイスが神を信じるようになったのかを理解するための決定的な鍵を与えてくれる作品でもあります。
 『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスは、難解な専門用語を使わずに神学的問題について平易に解説することに定評があります。
 アウグスティヌス、トマス・アクィナス、パスカルなどの重要な哲学者・神学者の思想を咀嚼(そしゃく)しつつ、文学者固有の想像力に基づいて展開されるこの世界の「悪」という神秘についてのルイスの論述を丁寧に読み解きながら、「痛み」「苦しみ」の意味という人生の根本問題について御一緒に考察していきたいと思います。


真摯に生きようとする者は、「苦しみ」を避けて通ることができません。ルイスにとって「痛み」は、「苦しみ」の核をなすものを意味していました。そして、ルイスはこんなことも書いています。
「人が苦痛に立ち向かわねばならないときには、多くの知識よりも、わずかな勇気の方が、また、多くの勇気よりも一片の同情の方が助けになる」。
ここでルイスがいう「同情」は、哀れに思うことであるよりも、「愛」そのものを意味するのです。
講師の山本芳久さんは、長年ルイスを愛読し、語るだけでなく、自身の人生のなかで、それを生きてきました。それを近くで見てきた者としても、この講座を本当に楽しみにしています。ぜひ、ご参加ください。(若松英輔)




講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』(文藝春秋、若松英輔との共著)がある。



🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?
中学生の夏休みに、最初に読んだ哲学書がプラトンの『ソクラテスの弁明』です。短い何十ページかで読める文庫本で、非常に面白かった……続きはこちら

●哲学とは、どんな存在ですか?
哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのは……続きはこちら

それ以外にも山本先生がよくわかる質問はこちらをどうぞ


<各月のテーマと内容> 月2回・全5回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、C.S.ルイス『痛みの問題(C.S.ルイス宗教著作集 3)』中村妙子訳、新教出版社、2004年改訂 を各自お手元にご用意下さい。テキスト付きのお申し込みも承っております。現在amazonなどでは取り扱われておりませんため、ご希望の方は「テキスト付き」よりお申し込み下さい。(テキスト代および送料200円を頂戴いたします。冊数には限りがございます。売り切れの場合はご容赦下さい。)
ご自身でご購入をご希望の場合は〈その他詳細〉をごらんください。版元には在庫が充分あるむねうかがっておりますが、以下をご参照いただき、早めの手配をおすすめいたします。
※各回のレジュメはございませんが、ときどき、ルイス以外の思想家(神学者・哲学者)や聖書の言葉をパワーポイントで紹介したいと思います。

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。




<<音声講座もあります!>>
ご都合があわない方は、1ヶ月間お聴きいただける後日配信の音声講座をご利用下さい。→こちら



●第一回 2022年5月19日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「はじめに、神の全能」 ‪

 ルイスは、本書において、「苦しみ」の問題を手がかりにしながら、キリスト教神学の根本概念に新たな光を与え直そうと試みています。ルイスはまず、「神の全能」という神学の基本概念を取り上げます。神が全能であるのであれば、なぜこの世界に「苦しみ」が存在するのか。このような問題を取り扱っている第一章「はじめに」と第二章「神の全能」を丁寧に読み解きます。‬‬‬‬




●第二回 2022年6月2日(木)19:15~ 4,620円(税込)お申込み
●第二回 2022年6月2日(木)19:15~(テキスト付) 7,570円  テキスト付お申込み
※テキストは、お申込み受領後、3営業日以内に発送いたします。
 「神の善、人間の悪」

 「神の善」とこの世界の「苦しみ」はどのようにして矛盾なしに共存できるのでしょうか。もしも宇宙がはじめから必然的に「苦しみ」の可能性を含んでいたのだとすれば、絶対的な善である神はそもそもどうして宇宙を創造したのでしょうか。このような観点から、第三章「神の善」と第四章「人間の悪」を読み解きます。




●第三回 2022年6月16日(木)19:15~ 4,620円(税込)お申込み
 「人間の堕落、人間の痛み」

 全能の善い神がこの世界全体を善いものとして創造したのだとすれば、なぜ実際の人間は悪しき在り方をしているのでしょうか。ここでルイスが持ち出すのが、「人間の堕落・堕罪」というキリスト教の伝統的な教えです。「アダムとイブの罪」という一見荒唐無稽な物語をどのような仕方で説得力のある仕方で理解し直すことができるのか。このような観点から、第五章「人間の堕落」と第六章「人間の痛み」を読み解きます。




●第四回 2022年7月7日(木)19:15~ 4,620円(税込)お申込み
 「人間の痛み(つづき)、地獄」

 人生における「痛み」「苦しみ」は、悪しき人間に、万事が好都合に運んでいるわけではないということを気づかせて、自分の在り方を反省させるきっかけになりうるとともに、神を徹底的に否定するためのきっかけにもなりうるとルイスは考えます。このような観点からキリスト教の本質を捉え直している第七章「人間の痛み(つづき)」と第八章「地獄」を丁寧に読み解きます。‬‬‬‬




●第五回 2022年7月21日(木)19:15~ 4,620円(税込)お申込み
 「動物の痛み、天国」

 「天国」と「地獄」という伝統的なキリスト教の教えを、ルイスは、単なる古代的な神話・幻想として否定することなく、神学についての豊富な知識と文学者としての想像力を駆使しながら、正面から掘り下げて深く考察しています。「現在の苦しみは、将来わたしたちに現わされるはずの栄光に比べると、取るに足りないとわたしは思います」という聖書の言葉を手がかりに展開される本書の末尾にふさわしい魅力的な論述を深く読み解いていきます。第九章「動物の痛み」と第十章「天国」を取り扱います。





<その他詳細>

【開催日時】 2022年5月より月2回、3か月間。全5回。 ※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回 4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、事前にアンケート・課題などがございますので、4営業日前まで初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
【持ち物】C.S.ルイス『痛みの問題(C.S.ルイス宗教著作集 3)』中村妙子訳、新教出版社、2004年改訂。※各自お手元にご用意下さい。
【テキストのご購入につきまして ※版元には在庫が充分あるむねうかがっておりますが、以下をご参照いただき、早めの手配をおすすめいたします。
最寄りの書店へのご注文にて、お取り寄せいただけます。 ネットからご購入の場合は、以下などからお取り寄せが可能です。
(4/6現在、Amazon、楽天ブックスでは取り扱われておりません)
①honto(最寄りのジュンク堂書店・丸善などで受け取ることもできます) https://honto.jp/netstore/pd-book_02447189.html
②イーショップ教文館 https://shop-kyobunkwan.com/4400520536.html
③教文館(銀座) https://www.kyobunkwan.co.jp/map


※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座を制作予定です)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。

🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?

 もともと本を読むのが好きだったのですが、最初に読んだ哲学書はプラトンの『ソクラテスの弁明』で、短い何十ページかで読める文庫本です。中学生の夏休みに読んだのがおそらく最初で、非常に面白かったですね。
それまでも小説などはよく読んでいたのですが、哲学の本をきちんと読んだことはなくて、でもプラトンの本はどれも、哲学書なんですが、文学のように読めるんです。ソクラテスと誰かとの対話というような形式で書かれているからですね。
文学作品を読んでいるときにも、人生について論理的に議論したりとか、ドストエフスキーなどにもそういうところが出てくるわけですね。そういう部分に強く関心を引かれるようなところがもともとあったのですが、プラトンなどを読むとそういう話がまさに中心的なテーマになっていて、しかもむずかしい言葉などそんなに使わず、論理的に掘り下げて考えていくのが、非常に面白いなと。
プラトンは結局専門にすることなく今に至っていますが、そのとき以来、哲学というものを考えるとき、わかりやすい言葉で、人生に関わる事柄を徹底的に掘り下げて、論理的に考えていくプラトンの面白さ、それが一つの原点になっているなと思います。


●山本先生にとって哲学は、どんな存在ですか?

 仕事にもなっているので、哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はやはりキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのはやはり哲学なのですね。
神というのは、ある種とらえどころのない、またもしそういうものが存在するとして、人間の能力、人間の言語で、いったいどこまで何を語ることができるのか、非常に微妙な、そういう存在ですよね。神というようなものについて、かろうじて人間が語りうる、関わりうる、そういう道を開いてくれるものとして、哲学が非常に重要なものとしてあります。それは私が特殊なわけではないのですね。
私の一番の専門であるトマス・アクィナスを含め、キリスト教が、キリスト教以前の古代ギリシアで生まれ、元来は直接結びつきのなかったはずの哲学と結びつく、という仕方で発展してきたのは、ある種の必然性がありました。それは、私自身にとってもそうだったということですね。


●哲学を伝えるさいに大切にしていることは?

 講座などでは、私の言葉だけで説明するのではなくて、本を読みながらそれを解説しつつ説明していくことが多いのですが、そのさい重要なこととして、二つあると思うのです。一つはわからないことにこだわらずに、全体にとにかくまずふれてみる。全体としてどういう話なのか、ふれてみるということの大切さですね。
と同時に、それと矛盾するようでもあるのですが、わからないことに徹底的にこだわるということの重要さもある。わからないことに徹底的にこだわっていると、その時にはわからなくても、他の箇所を読み進めていったときに、ここを手がかりにすると以前わからなかった箇所と結びつけることで、その箇所の意味もわかってくるのじゃないか、というようなことが見えてきたりもするわけですね。
そういう意味で、わからないことにこだわらずに全体にふれてみるという姿勢と、わからないことに徹底的にこだわってみるという、一見相反するようにも思える二つのことを、同時に大事にしてみるということが、哲学、とくに古典にふれるときに非常に重要だと思っています。


●ご愛読書(the book)を一冊、教えてください。

 C.S.ルイスの『キリスト教の精髄』(新教出版社)です。『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスが書いたこの本は、ラジオでの講演に基づいたものなのですが、最も優れたキリスト教の入門書として世界中で読まれ続けています。難解な専門用語を使わずに、わかりやすい言葉で書かれているのに、内容的にはとても深いものです。キリスト教に関心のある人に真っ先に紹介する本ですが、私自身、折にふれて読み直すたびに、毎回とても大きなインスピレーションを与えてもらっています。十代のときから読み続けてきた、文字通りの愛読書です。





<参加条件>

・「読むと書く」会員様(会員証をお持ちの方)のみご参加頂けます。
会員証をお持ちでない方は、初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。

(学び舎会員様の新規受付は終了しました。既存の学び舎会員様は、学び舎講座にご参加頂けます。)

<受講までの流れ>

1 .お申込みボタンから決裁をして下さい。
(決済ページstoresに移動します。storesの会員登録は事務局の会員登録とは異なります。ゲストでもご決済頂けますが、stores会員登録をされますと、次回より登録情報の入力が省略できます。)
※コンビニ払いを選んだ方は、払い込みが完了した時点でお申込確定となります。
2. 決裁後にダウンロードできるPDFにて、詳細を確認して下さい。
3. 受講にあたってのご案内(聴講URLなど)、レジュメは講座前営業日(土日祝等休日を除く)13:00までにメールにてお送り致しますので、必ずご確認下さい。
※万が一届かない場合には、前営業日(土日祝等休日を除く)の17時までにご連絡頂けますようお願い致します。そちらを過ぎますとご対応が難しくなり、その場合の責任はおいかねますことあらかじめご了承下さい。
4. 受講当日



※コンビニ払いを選んだ方は、払い込みが完了した時点でお申込確定となります。
※記載の最低催行人数に満たず、開催しないことが決定しました際には、開催日を含めて3日前までにお知らせ致します。
※ご受講料お支払い後のキャンセルはご欠席としてお取り扱いさせていただいております。ご返金や別の講座へのお振替えはできかねますので、あらかじめご了承下さい。
※講師の業務スケジュールにより、日程や時間を変更させて頂く可能性がございます。
※天候や災害あるいは講師の急病など、講座が開催できない状況が発生した場合は、皆さまのメールアドレスもしくはお申込み時にお知らせ頂いた緊急連絡先にご連絡を差し上げるとともに、 講座当日の9時ごろに、「読むと書く」公式ツイッターにてお知らせをいたします。それまでにも決まった時点で何かある場合はツイートしますので、随時ご覧いただけますと幸いです。
ツイッターアカウント:https://twitter.com/yomutokaku_info
ご希望の連絡手段でご連絡のとれない場合は、ツイッターにてご確認いただけたものとさせていただき、責任を負いかねますので、誠に恐れ入りますがご諒承くださいませ。なお、通常通り開催の場合は、ツイートはいたしません。
※過去にはまだございませんが、万一、当方の事情で不開催となった際には、後日、講座参加費をご返金致します。(なお、入会金、各自の交通費や宿泊費はご返金できませんことをあらかじめご了承下さい。)




若松英輔「読むと書く」運営事務局
E-mail :info@yomutokaku.jp
営業時間:月-金/9~17時(祝祭日・当社規定の休日を除く)
※営業時間外に頂いたご連絡は、翌営業日以降にご対応させて頂きます。