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●過去に開催した講座


講師に大きな影響を与えつづけている一冊!


 イギリスの作家G.K.チェスタトンの名著『聖トマス・アクィナス』は、トマス・アクィナス(1225頃-1274)について書かれた最も優れた評伝として、トマスの専門家からも極めて高い評価を受けてきた著作です。このたび、ちくま学芸文庫から文庫版が刊行されるのを機会に、この著作を精読する講座を開講することとしました。ユーモアと逆説に満ちたチェスタトンの魅力的な筆致に導かれながら、トマス哲学の本質を味わっていただけましたら幸いです。
 チェスタトンによると、トマス哲学は「常識の哲学」であり、「楽観主義」の哲学です。「肯定の哲学」と言うこともできます。それは安直な「楽観主義」ではなく、この世界に対する丁寧な理解に基づいた現実的で手堅い「楽観主義」の哲学です。チェスタトンのテクストを精読しながらトマス哲学の基本を学びつつ、現代を生き抜くのに必要な真の「楽観主義」を身につけていくためのヒントを探っていきたいと思います。
※今回のテキストは、山本先生が解説を執筆しています。



講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』『危機の神学』(文藝春秋、若松英輔との共著)、『世界は善に満ちている』(新潮社)、『アリストテレス 『ニコマコス倫理学』』(NHK出版)、『「愛」の思想史』(NHK出版)などがある。



<各月のテーマと内容> 月2回・全4回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※G.K.チェスタトン『聖トマス・アクィナス』(解説:山本芳久・ちくま学芸文庫)<2023年8月9日刊行予定>を各自お手元にご用意下さい。

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、初めての方はこちらよりお申し込み下さい。

初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。



<<音声講座もあります!>>
ご都合があわない方は、1ヶ月間お聴きいただける後日配信の音声講座をご利用下さい。→こちら



●第1回 2023年9月7日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 トマス・アクィナスとは何者か

 第一章「二人の托鉢修道士」と第二章「逃亡した大修院長」を精読します。
 キリスト教の「聖人」として最も有名と言っても過言ではないアッシジのフランチェスコと比較しながら、トマス・アクィナスとはそもそもどういう人物なのか、トマスの生涯をたどりながら浮き彫りにしていきたいと思います。



●第2回 2023年9月21日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 トマス・アクィナスとアリストテレス、または、「信仰」と「理性」

 第三章「アリストテレス革命」と第四章「マニ教徒に対する観想」を精読します。
 一言で言うと、トマス・アクィナスの哲学は、キリスト教の神学と古代ギリシアに由来する哲学(とりわけアリストテレス)とを統合したものです。
 異教世界の哲学者であるアリストテレスを本格的に取り入れることによって、トマスの哲学はよりキリスト教的なものになった、というチェスタトンの主張の真意を探っていきます。



●第3回 2023年10月5日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 トマス哲学入門

 第五章「本物の聖トマス」と第六章「トマス哲学入門」を精読します。
 チェスタトンによって書かれた「トマス哲学入門」は、これまでに書かれた「トマス哲学入門」のなかで最善のものと言っても過言ではありません。
 「常識の哲学」「楽観主義の哲学」とはどのようなものか、深く、かつ分かりやすく解説していきたいと思います。



●第4回 2023年10月19日(木)19:15~ 4,620円(税込) お申込み
 トマス・アクィナスとマルティン・ルター、または、「意志の自由」と「意志の無力」

 第七章「久遠の哲学」と第八章「聖トマス以後」を精読します。
 チェスタトンは、トマス没後の思想の変化、とりわけ宗教改革の立役者であるマルティン・ルターの思想との対比の中でトマス哲学の特徴を捉え直し、本書を結んでいます。
 人間の意志の無力を説くルターと対比しながら、チェスタトンは、「意志の自由」を解くトマス哲学がどのように世界をそしてその中で育まれる人生を肯定することにつながりうるのか、浮き彫りにしていきます。



<その他詳細>

【開催日時】2023年9月より全4回、2か月間。
※すべてzoom開催 19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
2023年9月7日/9月21日/10月5日/10月19日
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】
講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、事前にアンケート・課題などがございますので、4営業日前まで初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
【テキスト】G.K.チェスタトン『聖トマス・アクィナス』(解説:山本芳久・ちくま学芸文庫)<2023年8月9日刊行予定>※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座を制作予定です)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



 昨年末に亡くなった前教皇ベネディクト十六世は、現代を代表する神学者でした。
彼は、「信仰」「希望」「愛」というキリスト教の最重要概念に関わる三つの回勅(教皇が全世界に送付する公式文書)を残しています。『神は愛』『希望による救い』『信仰の光』の三冊です。
 今回の講座では、このなかから、『希望による救い』を選び、精読していきます。この著作は、100頁程度のとてもコンパクトな本ですが、「希望」に関わる重要な洞察が凝縮して述べられた大変優れた書物であり、キリスト教の入門書としても、この書物を超える書物はなかなか見出されません。
 私達の日々の生活は、「希望」なしにはありえません。「希望」という「力」に支えられてこそ、毎日の生活は張り合いのあるものとなります。「希望」とはどのようなものであり、いかにすれば確固とした「希望」を抱くことができるのか、『希望による救い』を精読しながら、ご一緒に考えていきたいと思います。



講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』『危機の神学』(文藝春秋、若松英輔との共著)、『世界は善に満ちている』(新潮社)、『アリストテレス 『ニコマコス倫理学』』(NHK出版)、『「愛」の思想史』(NHK出版)などがある。



<各月のテーマと内容> 月2回・全3回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※教皇ベネディクト十六世『回勅 希望による救い』(カトリック中央協議会)を各自お手元にご用意下さい。

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。




●第1回 2023年7月6日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 信仰とは希望である

 困難に満ちた「現在」に立ち向かうことができる「希望の力」。ベネディクト十六世が本書において述べようとしていることは、一言で言えば「希望」の有するそのような力です。そうした「希望」を抱くこととキリスト教の「信仰」を抱くことの間にある不可分なつながりを浮き彫りにしていきたいと思います。



●第2回 2023年7月20日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 キリスト教的希望の真の姿

 人間は、人生という旅を歩み続けていくために、小さな希望から大きな希望まで、様々な「希望」を必要としていますが、それらの「希望」が実現しても、決して満たされることがありません。自分が手に入れることができたものを常に超える更に大きな「希望」――「無限のもの」に対する希望――のみが人間を満足させることができると教皇は述べます。そうした「希望」の姿を浮き彫りにしながら、キリスト教の本質を明らかにしていきたいと思います。



●第3回 2023年8月3日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 希望を学び、実践するための「場」

 教皇は、「希望」についての抽象的な理論を述べるだけではありません。私達が「希望」を抱くことができるようになるための具体的な実践の「場」についての具体的な指針を示してくれています。「祈り」と「行動」と「苦しみ」という「場」において、どのように「希望」を学ぶことができるのか、共に学んでいきたいと思います。



<その他詳細>

【開催日時】2023年7月より全3回、2か月間。
※すべてzoom開催 19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
2023年7月6日/7月20日/8月3日
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】
講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
【テキスト】教皇ベネディクト十六世『回勅 希望による救い』(カトリック中央協議会)※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座を制作予定です)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



 ヘンリ・ナウエンは、現代において最も影響力のあるキリスト教思想家の一人です。キリスト教の信仰を持つ人にも持たない人にも通じる豊かな「霊性(スピリチュアリティ)」を開拓しました。苦しみ、悲しみ、虚しさ、無力感、挫折といった自らの個人的な経験をありのままに語りつつ、それらを超えた光を見出そうとするその姿勢は、世界中の多くの人々に勇気と励ましを与え続けています。
 キリスト教の霊性と心理療法を統合した『傷ついた癒やし人』は、自らの弱さや傷を、他者の弱さや傷を癒やすための原動力として生かし直すという斬新な観点を提示した、ナウエンの代表作です。
  今回の講座では、この著作を丁寧に読み取りながら、私達の、そして周りの人々の人生を照らし出すささやかな光を共に見出していきたいと思います。




講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』『危機の神学』(文藝春秋、若松英輔との共著)、『世界は善に満ちている』(新潮社)、『アリストテレス 『ニコマコス倫理学』』(NHK出版)、『「愛」の思想史』(NHK出版)などがある。



<各月のテーマと内容> 月2回・全2回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※ヘンリ・ナウエン『傷ついた癒やし人(ナウエン・セレクション)』新版、渡辺順子訳、日本キリスト教団出版局、2022年 を各自お手元にご用意下さい。

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。

初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。




●第1回 2023年4月6日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 断絶した社会におけるミニストリー

「ミニストリー」とは、キリスト教の「神父」や「牧師」といった聖職者の「職務」「奉仕職」を意味する言葉ですが、ナウエンは、本書において、聖職者のみではなく、他者と深く関わりながら充実した人生を送ることを願っているすべての人の心に強く訴えかけるメッセージを発しています。まずは、第一章「断絶した社会におけるミニストリ―」を精読しつつ、現代世界における人間同士の分断を乗り越えるためのヒントを学んでいきます。



●第2回 2023年4月20日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 根なし草の世代へのミニストリー

ナウエンは、現代人の基本的な在り方を、「根なし草」という言葉で捉えています。自分の「外」にも「上」にも自分を支えるものを見いだすことのできない「内向性の世代」「父なき世代」である私たちが、どのようにして、自己の人生を導く新たな羅針盤を見出すことができるのか、『傷ついた癒やし人』の第二章を精読しつつ、学んでいきたいと思います。



●第3回 2023年5月18日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 希望なき人へのミニストリー

ナウエンは、キリスト教の根本的なメッセージを、「希望」のメッセージとして捉えています。明日という日が「終わりのない真っ暗なトンネル」にしか見えない人生の谷間において、人は何を支えに生きていくことができるのか。『傷ついた癒やし人』の第三章「希望なき人へのミニストリー」を読み解きながら、共に学んでいきたいと思います。



●第4回 2023年6月1日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 孤独な牧会者によるミニストリー――傷ついた癒やし人――

「イエス・キリストは、自分の傷を癒やしの力の大きな源とした」という、本書を導いているナウエンの根本的な洞察が、いよいよ、第四章において正面から語られます。孤独や虚しさという自らの傷にふたをするのではなく、それらを正面から直面することによってこそ開かれてくる自己自身との新たな関係性。そしてそこからこそ開かれてくる他者との新たな関係性。ナウエン思想のクライマックスに触れる最終回としたいと思います。



<その他詳細>

【開催日時】2023年4月より全4回、3か月間。
※すべてzoom開催 19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
2023年4月6日/4月20日/5月18日/6月1日
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】
講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
【テキスト】ヘンリ・ナウエン『傷ついた癒やし人(ナウエン・セレクション)』新版、渡辺順子訳、日本キリスト教団出版局、2022年

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座を制作予定です)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



 昨年末に亡くなった前教皇ベネディクト十六世は、現代を代表する神学者でした。教皇就任直後に執筆された『神は愛』という回勅(教皇が全世界に送付する公式文書)は、とてもコンパクトな本ですが、キリスト教的な愛の本質について述べた書物として全世界で広く読み継がれています。
 「愛」についての理解を深めることは、キリスト教を理解するための最善の道と言えますが、本書の魅力はそれにとどまりません。自己愛と隣人愛、求める愛(エロース)と与える愛(アガペー)という一見相反するようにみえる様々な愛を統合するヴィジョンを与えてくれる本書を読み解くことによって、私達は、自らの「愛」を深めていくための様々な手がかりを得ることができます。そのような観点から、この書物を丁寧にわかりやすく読解していきたいと思います。






講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』『危機の神学』(文藝春秋、若松英輔との共著)、『世界は善に満ちている』(新潮社)、『アリストテレス 『ニコマコス倫理学』』(NHK出版)、『「愛」の思想史』(NHK出版)などがある。



<各月のテーマと内容> 月2回・全2回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、教皇ベネディクト十六世『回勅 神は愛』(カトリック中央協議会司教協議会秘書室研究企画訳、カトリック中央協議会)を各自お手元にご用意下さい。
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。

初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。



●第1回 2023年3月2日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 「愛についての理論的考察」 

 『神は愛』は2部構成になっていますので、2回の講座で、1部ずつ読み解いていきます。第1回では第1部を読み解きます。古代ギリシア由来の「エロース」、旧約聖書の「アハバー」、新約聖書の「アガペー」といった様々な愛を比較考察しつつ、「愛」を生きるための様々な手がかりを得ていきたいと思います。



●第2回 2023年3月16日(木)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 「愛の実践」

 『神は愛』の第2部においては、「愛」についてのより具体的な考察が展開されています。苦しみや不正に満ちたこの世界において、「愛のわざ」がいかにすれば実現可能なのかを考察していきます。そして、締めくくりとして、小著である『神は愛』を手がかりにしながらキリスト教思想史全体における「愛」の思想へと深く入っていくためのコツを伝授したいと思います。



<その他詳細>

【開催日時】2023年3月より月2回、1か月間。全2回。
※すべてzoom開催 19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
2023年3月2日/3月16日
【受講料】 各回 4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】
講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
【テキスト】教皇ベネディクト十六世『回勅 神は愛』(カトリック中央協議会司教協議会秘書室研究企画訳、カトリック中央協議会) ※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座を制作予定です)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



 『悪魔の手紙』はC.S.ルイスの最高傑作の一つです。老練の悪魔から新米の悪魔に対して送られた、人間を誘惑するための手練手管が描かれた31通の手紙を通じて、悪魔の世界・地獄の世界から人間がどのように見えるのかが多面的に描き出されています。人間の心の動きを熟知した作家ルイスにしてはじめて創作することのできたこの作品を通じて、私たちは、神の世界、信仰の世界というものがどういうものであるのかを、「悪魔からの視点」という極めて特異な観点から理解し直すことができます。
 『悪魔の手紙』は、単に「キリスト教」の教えを裏側から述べた作品ではありません。愛、憎しみ、喜び、悲しみ、嫉妬といった人間心理についての非常に深くかつ具体的な分析を通じて、読者が自らの心を深く捉え直すことのできる作品ともなっています。
 今回の講座では、この作品を冒頭から精読していきます。31通の手紙は、それぞれが独立したテーマを持ちつつ、全体として少しずつ話しが深まっていくように書かれていますので、各回の講座でいくつかの手紙を読み進めながら、全体に対する理解を少しずつ深めていきたいと思います。


★12/1(木)に開催された第1回の質疑応答がお読み頂けます。→こちら



★文字(テキスト)でもお読み頂けます。→こちら

講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』『危機の神学』(文藝春秋、若松英輔との共著)、『世界は善に満ちている』(新潮社)などがある。



<各月のテーマと内容> 月2回・全6回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、C.S.ルイス『悪魔の手紙(C.S.ルイス宗教著作集 1)』(森安綾/蜂谷昭雄訳、新教出版社)を各自お手元にご用意下さい。

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。

初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。





●第1回 2022年12月1日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「悪魔の誘惑とはなにか」

 「序言」、第1信「真理と現実について」、第2信「見える教会と見えぬ教会」を精読します。第1信では、キリスト教が語っていることが真理であるはずがないと人間に思い込ませるための最善の方法について語られます。続く第2信では、キリスト教の「教会」そのもののうちに潜んでいる、人間をキリスト教から離れさせていく側面が語り出されていきます。



●第2回 2022年12月15日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「人間はどのように堕落していくのか」

 第3信から第9信までを読解します。とりわけ興味深いのは、第6信「徳の無力化のために」と第7信「悪魔は存在を知らすべきか」です。被誘惑者である人間の「悪意」は身近な人に向けさせ、「慈悲心」は遠くの知らない人に向けさせるという手法によって、人間の心を少しずつ確実に堕落させることができると悪魔は説きます。




●第3回 2023年1月5日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「時と永遠」

 第10信から第16信までを読解します。特に興味深いのは、第15信「時の利用法――現在に生きさせるな」です。神の世界においては、「現在」と「永遠」が重視されるのに対して、悪魔は、人間の心を不確実な「未来」に対する期待と不安に釘付けにすることによって、現在の豊かさと「永遠」から目を背けさせようとします。



●第4回 2023年1月19日(木)19:15~ 4,620円(税込) ☆あとから聴ける復習用音声付! ※募集終了
 「人間はいかにして信仰を失うのか」

 第17信から第23信までを読解します。とりわけ興味深いのは、第21信「人間の笑うべき所有者意識」と第23信「<史的イエス>の謬説」です。第21信では、「自分の時間は自分のもの」という人間の根本的な思い込みが神や隣人から人間の心を引き離す誘惑となるということが語られます。第23信では、イエスのことを単なる普通の人間として捉えようとする近代的な発想が有する反キリスト教的な観点が明らかにされます。

☆あとから聴ける復習用音声付!の講座は、終了後、講座録音音声をお送りします。復習やご都合があわなくなった際にも安心です。(講座後一週間以内に配信、配信より二週間聴けます。録音状況により聞きづらい箇所がある場合や配信ができなくなる場合もございます。あらかじめご了承下さい。)



●第5回 2023年2月2日(木)19:15~ 4,620円(税込 ☆あとから聴ける復習用音声付! ※募集終了
 「<純粋なキリスト教>からの逃避」  

 第24信から第29信までを読解します。特に興味深いのは、第25信「相も変わらぬ古いものへの恐怖」です。一見古臭いキリスト教の伝統的な教え(「純粋なキリスト教」)から目をそらさせるために、「キリスト教と新心理学」「キリスト教と菜食主義」といった「キリスト教プラス・アルファ」の精神状態へと導く悪魔の策略が見事に描き出されています。

☆あとから聴ける復習用音声付!の講座は、終了後、講座録音音声をお送りします。復習やご都合があわなくなった際にも安心です。(講座後一週間以内に配信、配信より二週間聴けます。録音状況により聞きづらい箇所がある場合や配信ができなくなる場合もございます。あらかじめご了承下さい。)



●第6回 2023年2月16日(木)19:15~ 4,620円(税込 ☆あとから聴ける復習用音声付! ※募集終了
  「最後のヴィジョン」
 第30信と第31信(最終信)、および付論「悪魔の演説」を読み解きます。第31信「最後のヴィジョン」では、誘惑者である悪魔と被誘惑者である人間との最後の対決、そして、神との出会いが人間にとっていかに大きな喜びを与えるのかという「ヴィジョン」が語られます。「悪魔の手紙」という舞台設定を通じてはじめて浮き彫りになるキリスト教信仰の有する豊かな「ヴィジョン」を浮き彫りにしつつ、講座全体のまとめを行います。

☆あとから聴ける復習用音声付!の講座は、終了後、講座録音音声をお送りします。復習やご都合があわなくなった際にも安心です。(講座後一週間以内に配信、配信より二週間聴けます。録音状況により聞きづらい箇所がある場合や配信ができなくなる場合もございます。あらかじめご了承下さい。)



<その他詳細>

【開催日時】 2022年12月より月2回、3か月間。全6回。
※すべてzoom開催 19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回 4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
【テキスト】C.S.ルイス『悪魔の手紙(C.S.ルイス宗教著作集 1)』(森安綾/蜂谷昭雄訳、新教出版社) ※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座を制作予定です)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



 C.S.ルイスの『痛みの問題(The Problem of Pain)』は、『キリスト教の精髄』とならび、ルイスが一般向けに書いたキリスト教についての極めて質の高い入門書です。
 
神が存在するとすれば、どうしてこの世には「痛み」や「苦しみ」が存在するのか。また反対に、人生における「痛み」や「苦しみ」を前にして、どうして神の存在を肯定することができるのか。「痛み」や「苦しみ」があるからこそ、人は神へと導かれていくのか。
  このような問題について、この書物以上に深くかつ分かりやすく掘り下げて考察した本を他に知りません。
  この世界のなかに、そして自分自身のなかに充ち満ちている様々な「痛み」「苦しみ」「悪」に直面するたびに、私は、二十年以上にわたってこの本を開き、そこから様々な洞察と導きを与えられ続けてきました。

「わたしが無神論者であったころ」という言葉で始まるこの作品は、悪に満ちているこの世界においてなぜルイスが神を信じるようになったのかを理解するための決定的な鍵を与えてくれる作品でもあります。
 『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスは、難解な専門用語を使わずに神学的問題について平易に解説することに定評があります。
 アウグスティヌス、トマス・アクィナス、パスカルなどの重要な哲学者・神学者の思想を咀嚼(そしゃく)しつつ、文学者固有の想像力に基づいて展開されるこの世界の「悪」という神秘についてのルイスの論述を丁寧に読み解きながら、「痛み」「苦しみ」の意味という人生の根本問題について御一緒に考察していきたいと思います。


真摯に生きようとする者は、「苦しみ」を避けて通ることができません。ルイスにとって「痛み」は、「苦しみ」の核をなすものを意味していました。そして、ルイスはこんなことも書いています。
「人が苦痛に立ち向かわねばならないときには、多くの知識よりも、わずかな勇気の方が、また、多くの勇気よりも一片の同情の方が助けになる」。
ここでルイスがいう「同情」は、哀れに思うことであるよりも、「愛」そのものを意味するのです。
講師の山本芳久さんは、長年ルイスを愛読し、語るだけでなく、自身の人生のなかで、それを生きてきました。それを近くで見てきた者としても、この講座を本当に楽しみにしています。ぜひ、ご参加ください。(若松英輔)




講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』(文藝春秋、若松英輔との共著)がある。



🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?
中学生の夏休みに、最初に読んだ哲学書がプラトンの『ソクラテスの弁明』です。短い何十ページかで読める文庫本で、非常に面白かった……続きはこちら

●哲学とは、どんな存在ですか?
哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのは……続きはこちら

それ以外にも山本先生がよくわかる質問はこちらをどうぞ


<各月のテーマと内容> 月2回・全5回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、C.S.ルイス『痛みの問題(C.S.ルイス宗教著作集 3)』中村妙子訳、新教出版社、2004年改訂 を各自お手元にご用意下さい。
※各回のレジュメはございませんが、ときどき、ルイス以外の思想家(神学者・哲学者)や聖書の言葉をパワーポイントで紹介したいと思います。

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。



●第一回 2022年5月19日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「はじめに、神の全能」 ‪

 ルイスは、本書において、「苦しみ」の問題を手がかりにしながら、キリスト教神学の根本概念に新たな光を与え直そうと試みています。ルイスはまず、「神の全能」という神学の基本概念を取り上げます。神が全能であるのであれば、なぜこの世界に「苦しみ」が存在するのか。このような問題を取り扱っている第一章「はじめに」と第二章「神の全能」を丁寧に読み解きます。‬‬‬‬




●第二回 2022年6月2日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「神の善、人間の悪」

 「神の善」とこの世界の「苦しみ」はどのようにして矛盾なしに共存できるのでしょうか。もしも宇宙がはじめから必然的に「苦しみ」の可能性を含んでいたのだとすれば、絶対的な善である神はそもそもどうして宇宙を創造したのでしょうか。このような観点から、第三章「神の善」と第四章「人間の悪」を読み解きます。




●第三回 2022年6月16日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「人間の堕落、人間の痛み」

 全能の善い神がこの世界全体を善いものとして創造したのだとすれば、なぜ実際の人間は悪しき在り方をしているのでしょうか。ここでルイスが持ち出すのが、「人間の堕落・堕罪」というキリスト教の伝統的な教えです。「アダムとイブの罪」という一見荒唐無稽な物語をどのような仕方で説得力のある仕方で理解し直すことができるのか。このような観点から、第五章「人間の堕落」と第六章「人間の痛み」を読み解きます。

<<音声講座もあります!>>
ご都合があわない方は、1ヶ月間お聴きいただける後日配信の音声講座をご利用下さい。→こちら



●第四回 2022年7月7日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「人間の痛み(つづき)、地獄」

 人生における「痛み」「苦しみ」は、悪しき人間に、万事が好都合に運んでいるわけではないということを気づかせて、自分の在り方を反省させるきっかけになりうるとともに、神を徹底的に否定するためのきっかけにもなりうるとルイスは考えます。このような観点からキリスト教の本質を捉え直している第七章「人間の痛み(つづき)」と第八章「地獄」を丁寧に読み解きます。‬‬‬‬

<<音声講座もあります!>>
ご都合があわない方は、1ヶ月間お聴きいただける後日配信の音声講座をご利用下さい。→こちら



●第五回 2022年7月21日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「動物の痛み、天国」

 「天国」と「地獄」という伝統的なキリスト教の教えを、ルイスは、単なる古代的な神話・幻想として否定することなく、神学についての豊富な知識と文学者としての想像力を駆使しながら、正面から掘り下げて深く考察しています。「現在の苦しみは、将来わたしたちに現わされるはずの栄光に比べると、取るに足りないとわたしは思います」という聖書の言葉を手がかりに展開される本書の末尾にふさわしい魅力的な論述を深く読み解いていきます。第九章「動物の痛み」と第十章「天国」を取り扱います。

<<音声講座もあります!>>
ご都合があわない方は、1ヶ月間お聴きいただける後日配信の音声講座をご利用下さい。→こちら




<その他詳細>

【開催日時】 2022年5月より月2回、3か月間。全5回。 ※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回 4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、
【持ち物】C.S.ルイス『痛みの問題(C.S.ルイス宗教著作集 3)』中村妙子訳、新教出版社、2004年改訂。※各自お手元にご用意下さい。
【テキストのご購入につきまして ※版元には在庫が充分あるむねうかがっておりますが、以下をご参照いただき、早めの手配をおすすめいたします。
最寄りの書店へのご注文にて、お取り寄せいただけます。 ネットからご購入の場合は、以下などからお取り寄せが可能です。
(4/6現在、Amazon、楽天ブックスでは取り扱われておりません)
①honto(最寄りのジュンク堂書店・丸善などで受け取ることもできます) https://honto.jp/netstore/pd-book_02447189.html
②イーショップ教文館 https://shop-kyobunkwan.com/4400520536.html
③教文館(銀座) https://www.kyobunkwan.co.jp/map


※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座を制作予定です)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。

🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?

 もともと本を読むのが好きだったのですが、最初に読んだ哲学書はプラトンの『ソクラテスの弁明』で、短い何十ページかで読める文庫本です。中学生の夏休みに読んだのがおそらく最初で、非常に面白かったですね。
それまでも小説などはよく読んでいたのですが、哲学の本をきちんと読んだことはなくて、でもプラトンの本はどれも、哲学書なんですが、文学のように読めるんです。ソクラテスと誰かとの対話というような形式で書かれているからですね。
文学作品を読んでいるときにも、人生について論理的に議論したりとか、ドストエフスキーなどにもそういうところが出てくるわけですね。そういう部分に強く関心を引かれるようなところがもともとあったのですが、プラトンなどを読むとそういう話がまさに中心的なテーマになっていて、しかもむずかしい言葉などそんなに使わず、論理的に掘り下げて考えていくのが、非常に面白いなと。
プラトンは結局専門にすることなく今に至っていますが、そのとき以来、哲学というものを考えるとき、わかりやすい言葉で、人生に関わる事柄を徹底的に掘り下げて、論理的に考えていくプラトンの面白さ、それが一つの原点になっているなと思います。


●山本先生にとって哲学は、どんな存在ですか?

 仕事にもなっているので、哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はやはりキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのはやはり哲学なのですね。
神というのは、ある種とらえどころのない、またもしそういうものが存在するとして、人間の能力、人間の言語で、いったいどこまで何を語ることができるのか、非常に微妙な、そういう存在ですよね。神というようなものについて、かろうじて人間が語りうる、関わりうる、そういう道を開いてくれるものとして、哲学が非常に重要なものとしてあります。それは私が特殊なわけではないのですね。
私の一番の専門であるトマス・アクィナスを含め、キリスト教が、キリスト教以前の古代ギリシアで生まれ、元来は直接結びつきのなかったはずの哲学と結びつく、という仕方で発展してきたのは、ある種の必然性がありました。それは、私自身にとってもそうだったということですね。


●哲学を伝えるさいに大切にしていることは?

 講座などでは、私の言葉だけで説明するのではなくて、本を読みながらそれを解説しつつ説明していくことが多いのですが、そのさい重要なこととして、二つあると思うのです。一つはわからないことにこだわらずに、全体にとにかくまずふれてみる。全体としてどういう話なのか、ふれてみるということの大切さですね。
と同時に、それと矛盾するようでもあるのですが、わからないことに徹底的にこだわるということの重要さもある。わからないことに徹底的にこだわっていると、その時にはわからなくても、他の箇所を読み進めていったときに、ここを手がかりにすると以前わからなかった箇所と結びつけることで、その箇所の意味もわかってくるのじゃないか、というようなことが見えてきたりもするわけですね。
そういう意味で、わからないことにこだわらずに全体にふれてみるという姿勢と、わからないことに徹底的にこだわってみるという、一見相反するようにも思える二つのことを、同時に大事にしてみるということが、哲学、とくに古典にふれるときに非常に重要だと思っています。


●ご愛読書(the book)を一冊、教えてください。

 C.S.ルイスの『キリスト教の精髄』(新教出版社)です。『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスが書いたこの本は、ラジオでの講演に基づいたものなのですが、最も優れたキリスト教の入門書として世界中で読まれ続けています。難解な専門用語を使わずに、わかりやすい言葉で書かれているのに、内容的にはとても深いものです。キリスト教に関心のある人に真っ先に紹介する本ですが、私自身、折にふれて読み直すたびに、毎回とても大きなインスピレーションを与えてもらっています。十代のときから読み続けてきた、文字通りの愛読書です。





 C.S.ルイスの『キリスト教の精髄』は、定評のあるキリスト教の入門書であり、世界的なベストセラーでもあります。『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスが書いたこの本は、ラジオでの講演に基づいたものであり、難解な専門用語を使わずにわかりやすい言葉で書かれているのにかかわらず、内容的にはとても深いものです。私自身、折にふれて読み直すたびに、とても大きなインスピレーションを与えてもらっています。キリスト教に関する本を一冊紹介してくださいと言われれば、常にこの本を挙げることにしています。今回の講座では、この本を冒頭から末尾まで丁寧に解読していきながら、キリスト教の本質を浮き彫りにしていきます。関連する範囲内で、聖書をはじめ、アウグスティヌスやトマス・アクィナスなどの代表的なキリスト教神学者のテクストも紹介していくことができればと考えています。


講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』(文藝春秋、若松英輔との共著)がある。



🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?
中学生の夏休みに、最初に読んだ哲学書がプラトンの『ソクラテスの弁明』です。短い何十ページかで読める文庫本で、非常に面白かった……続きはこちら

●哲学とは、どんな存在ですか?
哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのは……続きはこちら

それ以外にも山本先生がよくわかる質問はこちらをどうぞ


<各月のテーマと内容> 月2回・全6回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、C.S.ルイス『キリスト教の精髄(C.S.ルイス宗教著作集 4)』柳生直行訳、新教出版社(1994年)を各自お手元にご用意下さい。
※各回のレジュメはございませんが、ときどき、ルイス以外の思想家(神学者・哲学者)や聖書の言葉をパワーポイントで紹介したいと思います。

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。




●第一回 2022年2月3日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「宇宙の意味を解明する鍵としての正と不正」 ‪

 「世界が不正に満ちている」という事実から、ルイスは、「神は存在しない」という結論を導き出すどころか、反対に、「だからこそ神は存在する」という帰結を導き出します。ルイスのスリリングな論の展開を丁寧にたどっていきます。‬‬‬‬




●第二回 2022年2月17日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「クリスチャンが信じていること」

 この世界には「善」と「悪」が存在し、そのどちらかを選ぶことができる「自由意志」が人間には与えられているという基本的な事実に基づいて、ルイスは、キリストの受肉・復活、天国と地獄といったキリスト教の本質的な教えを実に鮮やかに捉え直しています。




●第三回 2022年3月3日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「クリスチャンのあり方」 (1)

 第三部「クリスチャンのあり方」を二回に分けて読解します。「道徳の三部門」「キリスト教の結婚観」などといったテーマを取り上げます。自分自身との関係、他者との関係、神との関係という観点からキリスト教の人間観を掘り下げて考察します。




●第四回 2022年3月17日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「クリスチャンのあり方」 (2)

 「クリスチャンのあり方」の後半を読解します。取り上げるテーマは、「赦し」「最大の罪(傲慢)」「キリスト教的愛」「希望」「信仰」などです。「傲慢」こそが「最大の罪」であるという観点は、キリスト教の教えを理解するための非常に重要な視点を与えてくれます。‬‬‬




●第五回 2022年4月7日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「人格を超えたもの――三位一体論序説」(1)

 第四部「人格を超えたもの――三位一体論序説」を二回に分けて読解します。一見難解な、「父と子と聖霊」の「三位一体」というキリスト教の根本的な教えが、ルイスの卓越した文学的感性に基づいて、実に鮮やかにわかりやすく説明されていきます。




●第六回 2022年4月21日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「人格を超えたもの――三位一体論序説」(2)

 「人格を超えたもの――三位一体論序説」の後半を読解します。「キリストのふりをしよう」「キリスト教はむずかしいか、やさしいか」「善い人間か新しい人間か」といったテーマを取り上げつつ、本書全体のまとめとなる解説をしていきたいと思います。




<その他詳細>

【開催日時】 2022年2月より月2回、3か月間。全6回。 ※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
【持ち物】 C.S.ルイス『キリスト教の精髄(C.S.ルイス宗教著作集 4)』柳生直行訳、新教出版社(1994年) ※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。

🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?

 もともと本を読むのが好きだったのですが、最初に読んだ哲学書はプラトンの『ソクラテスの弁明』で、短い何十ページかで読める文庫本です。中学生の夏休みに読んだのがおそらく最初で、非常に面白かったですね。
それまでも小説などはよく読んでいたのですが、哲学の本をきちんと読んだことはなくて、でもプラトンの本はどれも、哲学書なんですが、文学のように読めるんです。ソクラテスと誰かとの対話というような形式で書かれているからですね。
文学作品を読んでいるときにも、人生について論理的に議論したりとか、ドストエフスキーなどにもそういうところが出てくるわけですね。そういう部分に強く関心を引かれるようなところがもともとあったのですが、プラトンなどを読むとそういう話がまさに中心的なテーマになっていて、しかもむずかしい言葉などそんなに使わず、論理的に掘り下げて考えていくのが、非常に面白いなと。
プラトンは結局専門にすることなく今に至っていますが、そのとき以来、哲学というものを考えるとき、わかりやすい言葉で、人生に関わる事柄を徹底的に掘り下げて、論理的に考えていくプラトンの面白さ、それが一つの原点になっているなと思います。


●山本先生にとって哲学は、どんな存在ですか?

 仕事にもなっているので、哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はやはりキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのはやはり哲学なのですね。
神というのは、ある種とらえどころのない、またもしそういうものが存在するとして、人間の能力、人間の言語で、いったいどこまで何を語ることができるのか、非常に微妙な、そういう存在ですよね。神というようなものについて、かろうじて人間が語りうる、関わりうる、そういう道を開いてくれるものとして、哲学が非常に重要なものとしてあります。それは私が特殊なわけではないのですね。
私の一番の専門であるトマス・アクィナスを含め、キリスト教が、キリスト教以前の古代ギリシアで生まれ、元来は直接結びつきのなかったはずの哲学と結びつく、という仕方で発展してきたのは、ある種の必然性がありました。それは、私自身にとってもそうだったということですね。


●哲学を伝えるさいに大切にしていることは?

 講座などでは、私の言葉だけで説明するのではなくて、本を読みながらそれを解説しつつ説明していくことが多いのですが、そのさい重要なこととして、二つあると思うのです。一つはわからないことにこだわらずに、全体にとにかくまずふれてみる。全体としてどういう話なのか、ふれてみるということの大切さですね。
と同時に、それと矛盾するようでもあるのですが、わからないことに徹底的にこだわるということの重要さもある。わからないことに徹底的にこだわっていると、その時にはわからなくても、他の箇所を読み進めていったときに、ここを手がかりにすると以前わからなかった箇所と結びつけることで、その箇所の意味もわかってくるのじゃないか、というようなことが見えてきたりもするわけですね。
そういう意味で、わからないことにこだわらずに全体にふれてみるという姿勢と、わからないことに徹底的にこだわってみるという、一見相反するようにも思える二つのことを、同時に大事にしてみるということが、哲学、とくに古典にふれるときに非常に重要だと思っています。


●ご愛読書(the book)を一冊、教えてください。

 C.S.ルイスの『キリスト教の精髄』(新教出版社)です。『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスが書いたこの本は、ラジオでの講演に基づいたものなのですが、最も優れたキリスト教の入門書として世界中で読まれ続けています。難解な専門用語を使わずに、わかりやすい言葉で書かれているのに、内容的にはとても深いものです。キリスト教に関心のある人に真っ先に紹介する本ですが、私自身、折にふれて読み直すたびに、毎回とても大きなインスピレーションを与えてもらっています。十代のときから読み続けてきた、文字通りの愛読書です。







 ユングはその生涯を通じて何度も、身近な人々を対象としたセミナーを開催し、自らの考えを直接語りました。
 中でも1925年にチューリッヒで開催された、全16回からなるこのセミナーは特別な意味を持っています。ユングがはじめて彼独自の考え方、すなわち後に「ユング心理学」と呼ばれるものを語りはじめたのが、まさにこのセミナーにおいてであったからです。
 この歴史的なセミナーの記録である本書を読むことは、ユング心理学が誕生していく現場に、ユングやセミナーの参加者たちと同じく、私たちもまた立ち会うという体験に他なりません。その意味では、膨大な数に及ぶユングの著作、あるいはユング心理学関連の文献の中でも「はじめてのユング」に相応しいものと言えるでしょう。
 この特別な一冊を、一緒に読み解いてみませんか。

※この講座は大塚先生の訳書『分析心理学セミナー 1925年、チューリッヒ』をテキストに、大塚先生より直接ご講義頂きます。

講師 大塚紳一郎(ユング派分析家候補生、公認心理師)
1980年、東京都に生まれる。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。2018年よりISAP(チューリッヒ)留学。訳書 ランク『出生外傷』(共訳、2013)メツル/カークランド編『不健康は悪なのか』(共訳、2015)ユング『ユング 夢分析論』(共訳、2016)同『心理療法の実践』(共訳、2018)同『分析心理学セミナー』(共訳、2019)チェインバーズ『心理学の7つの大罪』(2019)マーシュ『医師が死を語るとき』(2020、以上みすず書房)フェレンツィ『精神分析への最後の貢献』(共訳、岩崎学術出版社、2007)。


🎤大塚先生インタビュー 🎤


●ユング心理学に出会ったきっかけは?
高校生のころ、河合隼雄の著作集の第一巻、『ユング心理学入門』を手に取ったのが、最初の出会いです。ただ、その後それに向かって一生懸命頑張った…というわけではまったくありません・・・続きはこちら

●大学でも心理学が専門でしたか?
所属していたのは文化人類学で、じつは大学では心理学講義を落としているんです(笑)。でも卒業後の進路を考えた時・・・続きはこちら

それ以外にも大塚先生がよくわかる質問はこちらをどうぞ


<各月のテーマと内容>月2回・全8回 zoom開催

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



●第一回 2021年10月14日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 若松英輔との対談

本書を読み解いていく前のプレリュードとして、ユング心理学の歴史のなかでもっとも重要な期間であった「1912年~1925年」についてお話しします。その後、いま本書を読むこと、あるいはユング心理学を学ぶことの意味について対談します。

<若松より>
これまでも、折にふれてユングの著作を読み、その思想にはふれ得ていたように思う。しかし、大塚紳一郎さんの訳文にふれたとき、ユング像が刷新された。この人物の肉声が聞こえてくるようだった。




●第二回 2021年10月28日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「セミナー 第1回-第3回」

セミナーのオープニングです。学生時代の経験について、博士論文の題材となった少女について、そしてフロイトとの出会いと決別について、ユングは語っていきます。ユング心理学が生まれる土壌がいかにしてできあがっていったのか。ユング自身に語ってもらいましょう。




●第三回 2021年11月11日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「セミナー 第4回-第6回」

セミナーの題材は少しずつ、ユング自身の内的体験へと移っていきます。夢やファンタジーを通じた「無意識との対決」が、ユングにとっていかに過酷で、そして意義深いものであったのかが、生々しいまでに語られていきます。それは「ユング心理学」が生まれた瞬間でもありました。




●第四回 2021年11月25日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「セミナー 第7回-第9回」

「ジークフリート殺し」「イリヤとサロメとの出会い」という内的体験とその意味について、ユングは自らの言葉で描き出していきます。後の『赤の書』、そして夢分析やアクティヴ・イマジネーションという技法のもととなったこの内的体験の意味を、ユングとともにじっくりとひも解いていきましょう。




●第五回 2021年12月9日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「セミナー 第10回-第12回」

男性と女性、意識と無意識、自我とアニマ/アニムス。ユング心理学は「対立するものどうしの結合」をめぐる心理学です。この「対立するものどうしの組み合わせ」と「結合」というアイディアについて、セミナーの参加者と一緒に頭を悩ませながら、ユングの説明に耳を傾けてみましょう。




●第六回 2021年12月23日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「セミナー 第13回-第15回」

「無意識」とはいったい何のことでしょうか? ここにいたってユングはフロイトの精神分析とはまったく異なる「無意識」のモデル、すなわちユング心理学を提唱するに至りました。ユングが紹介している図を題材に、ユング心理学の心の地図を解説していきます。



●第七回 2022年1月13日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「セミナー 第16回」

最終回の主役はユングではなく、セミナーの参加者たちです。三つの小説を題材に、ユング心理学に基づく解釈をしていきます。ユング心理学とはどういう営みなのか? それによって何がもたらされるのか? その答えを参加者たちと一緒に探っていきましょう。



●第八回 2022年1月27日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 まとめと質疑応答

本書の内容を振り返り、ユング心理学という考え方がどのようにして生まれていったのか、その独自性はどのようなものなのかを考えます。後半では参加者の方からのご質問にお答えする時間を設ける予定です。
※ユング心理学講座は、素樸な問いから少し専門的な質問まで、真摯に交わされる質疑応答も大きな魅力です。「内在している問いに気づく」「さらに自分に引きつけることができる」と、ご好評いただいてきたこの時間を、第八回では、たっぷりとらせていただきます。
(この回のみ、終了時刻は21:00~21:30といたしまして、ご質問にできうる限り応答いたします。ご質問が出なくなりましたら、21:30を待たず終了させていただきます)



<その他詳細>

【開催日時】 2021年10月より月2回・4か月間。全8回。※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
第八回のみ、終了時刻は21:00~21:30となります。(ご質問が出なくなりましたら、21:30を待たず終了させて頂きます)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
【持ち物】 『分析心理学セミナー 1925年、チューリッヒ』C・G・ユング/横山博・監訳、大塚紳一郎ほか・訳(みすず書房)
 ※レクチャーの資料としてはみすず書房版を使用しますが、英語版のオリジナルテクスト、もしくは同じ本の翻訳書である創元社版(『分析心理学セミナー ユング心理学のはじまり』(河合俊雄監訳))をお持ちの方は、そちらをご利用頂いて問題ありません。みすず書房版、創元社版、オリジナルテクスト(英語)のいずれかを各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。

🎤大塚先生インタビュー 🎤


●ユング心理学に出会ったきっかけは?

 高校生のころ、河合隼雄の著作集の第一巻、『ユング心理学入門』を手に取ったのが、最初の出会いです。その本には「ユング派の分析家」という職業も書いてあり、これを自分の生き方にするということを、そのころにもう決めていました。

 高校2年生か3年生のころ、河合隼雄の著作集の第一巻、『ユング心理学入門』を手に取ったのが、たぶんいちばん最初の出会いです。その本の中に「ユング派の分析家」という職業のことも書かれていました。だれにも言わなかったんですけれど、それを自分の生き方にするということも、じつはそのときにもう決めてしまいました。
 ただ、その後それに向かって一生懸命頑張った……というわけではまったくありません。心理学とは関係のない本を読んだり、サッカーをしたり、好きな女の子をデートに誘ったりと、ふつうに高校生、大学生としての時間を過ごしていました。


●大学でも心理学が専門でしたか?

 所属していたのは文化人類学で、じつは大学では心理学講義を落としているんです(笑)。でも卒業後の進路を考えた時、ユング心理学にしか大人になる道が見つけられなかった。そこで大学院で臨床心理士としての基本的な勉強をして、そこから10年近くスクールカウンセラーや病院のカウンセラーを続けて、ユング心理学の分析家を目指しはじめました。

 大学では文学部を選んで、もちろん心理学の講義も受けました。そこで驚いてしまったんですが、最初の5回ぐらいまで出席してみても、ネズミとかイヌとかネコとかの実験ばっかりで、いつまで経っても講義に人間が登場してこなかったんです。いま振り返ってみると、それも大切な勉強だとわかるんですが、当時はショックを受けてしまって。「これは違う」と思って、途中で参加しなくなってしまいました。だから、大学では心理学の単位を落としちゃってるんです(笑)

 所属していたのは文化人類学のゼミです。御嶽信仰のフィールドワークに連れて行ってもらったりして、のびのび過ごさせてもらいました。でも、いよいよ卒業後の進路を考えなきゃいけなくなったときに、臨床心理士になるより他に自分が大人になる道を思いつかなかった。だから、それを目指して進まざるをえなくなったんです。

 と言うと何だか大袈裟な言い方だと思われてしまうかもしれませんが、本当に基本的なこと、普通だったらできて当たり前のことができないのです。税金や公共料金なんかの公的な手続きを忘れてしまったり、ものをなくしてしまったりなんていうのはいまでもしょっちゅうあります。事務的な書類を作らなきゃいけないときは、必ずと言っていいくらい、どこかで書き間違いをします。下手したら自分の名前を書き間違えたりすることもある。運転免許も持っていません。ぼくが運転する車なんて、怖くて乗りたくないですもの(笑)。
 だからとてもじゃないけど、同年代のみんなと一緒にリクルートスーツを着て、履歴書を書いて、というトライアルには参加できなかった。そんな中で唯一思いついたのが、大学院に行って臨床心理士になるという道だったのです。

 大学院というのは臨床心理士を養成するところであって、ユング心理学だけを勉強するところではありません。僕はユング派の分析家の横山博先生が在籍している大学院に行ったんですが、大学院で学ぶことのなかでユング心理学はごく一部で、一般的な意味での心理学やいろいろな心理療法を学んだ…というより、あれこれ見聞きさせてもらいました。とても勉強になった。そこから10年近くはスクールカウンセラーや病院のカウンセラーといった、普通の臨床心理士としての仕事を続けました。ユング心理学の分析家を目指しはじめたのは、30代の中ごろになってからのことです。


●臨床心理士のお仕事から、ユング心理学の分析家への道のりは?

 自分の臨床心理士の仕事のなかでは、ユング心理学っぽいことを出さないように意識していました。それは僕がやりたいことであって、いまここで必要とされていることではないという区別は、すごく考えていたと思います。

 たとえばスクールカウンセラーとして地域の学校に行って、生徒や児童の親御さんの相談を受けたりするときに、具体的で、すぐにはじめることのできるアイディアを提案するというのは、臨床心理士の大切な役割のひとつです。ただ、そういう仕事に関しては、ユング心理学の出番はあまり多くありません。ユング心理学は無関係とまでは言えないけれど、少なくともあまり得意な分野ではない。「役に立つ」ということに限って言うと、ユング心理学よりも得意な心理学や心理療法は他にたくさんあります。

 ですから、普段の臨床心理士としての仕事では、自分の中の「ユング心理学」があまり顔を出さないように、むしろそちらの方を意識していました。それはぼくがやりたいことであって、いまここで必要とされていることではない。そういう区別は、いつでも大切にしてきたつもりです。
 ただ、だからこそ一方で、かなり早い段階で、どこかのタイミングで臨床心理士の仕事はいったん辞めて、ユング派の分析家の訓練を始めるということも決めていました。少なくとも2年間はスイスに行くという生活、つまりその段階では臨床心理士の仕事を辞めるということも、かなりはっきり決めていたんです。


●ユング心理学の、どのようなところにひかれましたか?

 僕がユング心理学に関心をもってきたというのは条件の半分で、実感としては、ユング心理学も僕に関心を持ってくれていた、必要としてくれていた、という感じがあります。 本当に好きなものこそ、自分の人生、あるいは自分の一部になっているということだと思うんです。

 たとえば結婚している人に「パートナーのどういうところが好きなんですか?」って訊いてみても、はっきりとした答えってなかなか返ってこないですよね。「何となく」っていう答えが、一番多いんじゃないかな。それと似ている気がします。この道で生きていくというのは、最初にお話ししたとおり、振り返ってみると高校生のころには決めていた。それって、ちゃんとした恋愛がはじまるときに「この人と一緒になるんだろうな」と何となくわかってしまう、あの感じによく似ています。この相手とは長く、一緒に生きていけるはずだっていう、根拠のない確信のことです。

  ただし、僕がユング心理学に関心をもってきたというのは、あくまで「半分」です。おかしな言い方だと思われるかもしれませんが、ユング心理学もぼくに関心を持ってくれていた、必要としてくれていたという実感があるのです。たとえば、ユングのテクストの翻訳をする機会に恵まれたときに、そんなふうに思ったりします。「これって片想いじゃないんじゃないかな」って。分析家になるための訓練もそうですが、そういう機会を与えつづけてもらっているというのが、ぼくがユング心理学との関係を持続できている大きな理由なのだと思います。

  本当に大切なものこそ、自分の人生、あるいは自分の一部になってしまうんじゃないでしょうか。自分の右手がどういうふうに自分にとって大切な存在なのかを、誰かに説明するのってむずかしいですよね。ぼくにとって、ユング心理学はそういう存在なんです。


●専門家でない人がユング心理学を学ぶことの意味は?

 それはユングの信念であったと思います。ユング心理学は専門家に独占されるものであってはいけないということをユングはいろんなところで言っています。自分の人生と重ね合わせて連想しながら考えていけるのは、ユング心理学のいいところなんじゃないかな。

 それはユングの信念そのものでした。ユング心理学は専門家に独占されるものであってはいけないと、ユングはいろんなところで言っているんです。グッゲンビュール・クレイグという分析家もこんな風に言っています。「ユング心理学は資産家とか知識人とか、そういうエリートのためにあるんじゃなくて、ホームレスの人とか、売春をして生計を立てている人とか、そういうさまざまな苦しい場所にいる人々のために存在しなきゃいけないんだ」と。ぼくもそれはとても大切なことだと思っています。だから、こういう公開レクチャーが専門家ではない参加者の皆さんにとってユング心理学にふれる機会になっているのだとしたら、それはぼくにとってもうれしいことです。

  ぼくがお話ししたテーマから、参加者の皆さんがそれぞれ、ご自分の人生と重ね合わせながら、自分にとってのユング心理学の意味を見つけているようですね。そんな風に、誰もが自分の人生と重ね合わせて考えていけるっていうのは、ユング心理学のいいところなんじゃないかな。


●ご愛読書(the book)を一冊、教えてください。

 『Jung’s Map of the Soul』ですね。初めて読んだ時はもうほとんど理解できなかった。けれど、もっと知りたいという気持ちをすごく強く起こさせてくれました。スイスに留学するときにもこの本にはすごく大きな意味、役割がありました。最近は関連書の翻訳もしたり、ほんとうにいろいろな意味で、スペシャルな一冊です。

  いま思い浮かんだのは、ちょうど手元にあるこの本ですね。ユング派分析家のマリー・スタインという人が書いた本でJung’s Map of the Soul: An Introductionというものです。
 これも大学生のときに読んだ本です。河合隼雄の本はよく理解できたという、満足感を与えてくれたのだけれど、この本は当時のぼくにはほとんど太刀打ちできなかった。ただ、理解できないんだけれど、もっと知りたいという気持ちを、強くかき立ててくれたんです。わからないけど知りたいというのは、とても大切な経験だと思います。それを教えてくれたのがこの本です。

  そしてこの本はいまはさらに、ぼくにとって大切なものになりました。というのも、留学を具体的に考えるようになったとき、いくつか選択肢があったんですが、結局ISAP(International School of Analytical Psychology Zurich)というところを選んだのは、この本の著者のスタイン先生がそこにいるという理由からだったんですよ。この本との最初の出会いがあまりにも強烈だったので、この本の著者の先生から教わりたいと自然と思うようになったんですね。

  だから、ぼくの人生のなかでもっとも大きな意味を持っている本と言われたら、あんがいユング自身の本ではなくて、このJung’s Map of the Soulかもしれません。そういえば、スタイン先生ご本人にそうお伝えしたら、本にサインをしてくれました(笑)

  この本に関しては、最近になってもうひとつご縁が生まれました。BTSっていう韓国のボーイズグループが発表したアルバムのタイトルがMap of the Soul: Personaだったんです。つまり、この本をモチーフにした作品を作り出してくれたわけです。そしてそれは素晴らしい内容のものでした。
 その後、このBTSのファンの人たち──ARMYと言うのですが──に向けた、Map of the Soul: 7 Persona, Shadow and Ego in the World of BTSという本をスタイン先生が書かれたんですが、じつはその本の日本語版の翻訳がちょうど終わったところなんですよ。
  いろいろな意味で、このJung’s Map of the Soulという本は、僕にとってスペシャルな一冊です。







 古代ギリシアの哲学者プラトン(前427年頃-347年頃)の代表作の一つである『饗宴(きょうえん)』を丁寧に読解します。『饗宴』は、「愛(エロース)」というテーマをめぐって、何人かの論客が演説をしながら議論を深めていくという形式で書かれた著作です。小説のような仕方で読んでいくことができるので、哲学書としては極めて親しみやすく読みやすい作品ですが、その内容は実に深遠です。
 20世紀を代表する哲学者の一人であるホワイトヘッドは、西洋哲学の二千年に及ぶ歴史の全体は、プラトンの著作に対する脚注のようなものである、と述べています。プラトンにおいて、哲学の根本問題のほぼすべてが出そろっていると言っても過言ではありません。
 「愛」という人生の問題についても同様です。誰もが直面する「愛」という根本問題についての考えを深めていくための実に豊かな材料が、この饗宴という著作の中に含まれているのです。
 このプラトンの『饗宴』全体を、全6回で丁寧に読み解きつつ、哲学書になじむためのこつを伝授していきたいと思っています。


講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版)、『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』(文藝春秋、若松英輔との共著)がある。



🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?
中学生の夏休みに、最初に読んだ哲学書がプラトンの『ソクラテスの弁明』です。短い何十ページかで読める文庫本で、非常に面白かった……続きはこちら

●哲学とは、どんな存在ですか?
哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのは……続きはこちら

それ以外にも山本先生がよくわかる質問はこちらをどうぞ


<各月のテーマと内容> 月2回・全6回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、プラトン『饗宴』中澤務訳、光文社古典新訳文庫(2013年)を各自お手元にご用意下さい。
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。




●第一回 2021年11月4日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「愛の思想史」序説 ‪

 プラトンにおける「愛(エロース)」の特徴を浮き彫りにするために、西洋思想史における愛の理論を概説します。アリストテレス、聖書、アウグスティヌス、トマス・アクィナスなどの文章をいくつか紹介しつつ、‬‬「愛」について哲学的に考えることが、単なる理論的な問題ではなく、自らの毎日の生活や人生をどう受け止めてよりよく生きていくかという根本問題に直結していることを、ご説明したいと思っています。‬‬‬




●第二回 2021年11月18日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 パイドロスとパウサニアスの演説

 プラトン『饗宴』を丁寧に読み始めます。「愛(エロース)」をめぐって最初の演説を繰り広げるのはパイドロスです。パイドロスは、エロースが偉大な神であるという趣旨の演説を行います。それに対して、パイドロスの恋人であるパウサニアスは、エロースには「天上的なエロース」と「地上的なエロース」の区別があるという説を提示します。




●第三回 2021年12月2日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 エリュクシマコスとアリストファネスの演説

 医師であるエリュクシマコスは、パウサニアスの区別を受け継ぎつつ、人間の感情としての愛という狭い文脈を超えて、この世界全体の在り方を「エロース」に基づいて説明することを試みます。他方、アリストファネスは、太古の人間は二体一身であり、エロースとは、人間が本来の片割れを憧れ求める渇望だという神話を語ります。本書の中でも最も有名な箇所の一つです。




●第四回 2021年12月16日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 アガトンの演説

 エロース演説が行われている「饗宴」の主催者であるアガトンが、エロースを讃美する美辞麗句に満ちた演説を行います。エロースは神々のうちで最も美しく、あらゆる徳を身に着けているという観点が提示されます。「愛」のみではなく、「美」や「徳」といった、私達一人ひとりが日常生活を送るさいにかけがえのない価値を持ったテーマについて、みなさんと一緒に深く考えていきたいと思います。




●第五回 2022年1月6日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 ソクラテスの演説

 ソクラテスがディオティマという神秘的な女性から聞いた話として、 エロースは、美しさと醜さ、善と悪との中間にあるものだという説が語られます。そして、知恵への愛である「哲学」に従事する者もまた、「知恵」と「無知」の中間にある者だという、プラトンの哲学観のエッセンスが語られる大変重要な箇所を読み解いていきます。




●第六回 2022年1月20日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 ソクラテスの演説の続き、アルキビアデスの演説

 ソクラテスの演説の直後に酔っ払って乱入してきたアルキビアデスは、「エロース」ではなく「ソクラテス」を讃美する演説を行います。そこで描かれるソクラテスの姿は、哲学者とはいかなる存在であるのかを鮮やかに浮き彫りにするものとなっています。哲学を学ぶことが、私達一人ひとりにとって、どのような積極的な意味を有するものなのか、このようなソクラテスの姿を手がかりにみなさんと一緒に掘り下げて考えてみたいと思います。




<その他詳細>

【開催日時】 2021年11月より月2回、3か月間。全6回。 ※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、事前にアンケート・課題などがございますので、4営業日前まで初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
【持ち物】 プラトン『饗宴』中澤務訳、光文社古典新訳文庫(2013年) ※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。

🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?

 もともと本を読むのが好きだったのですが、最初に読んだ哲学書はプラトンの『ソクラテスの弁明』で、短い何十ページかで読める文庫本です。中学生の夏休みに読んだのがおそらく最初で、非常に面白かったですね。
それまでも小説などはよく読んでいたのですが、哲学の本をきちんと読んだことはなくて、でもプラトンの本はどれも、哲学書なんですが、文学のように読めるんです。ソクラテスと誰かとの対話というような形式で書かれているからですね。
文学作品を読んでいるときにも、人生について論理的に議論したりとか、ドストエフスキーなどにもそういうところが出てくるわけですね。そういう部分に強く関心を引かれるようなところがもともとあったのですが、プラトンなどを読むとそういう話がまさに中心的なテーマになっていて、しかもむずかしい言葉などそんなに使わず、論理的に掘り下げて考えていくのが、非常に面白いなと。
プラトンは結局専門にすることなく今に至っていますが、そのとき以来、哲学というものを考えるとき、わかりやすい言葉で、人生に関わる事柄を徹底的に掘り下げて、論理的に考えていくプラトンの面白さ、それが一つの原点になっているなと思います。


●山本先生にとって哲学は、どんな存在ですか?

 仕事にもなっているので、哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はやはりキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのはやはり哲学なのですね。
神というのは、ある種とらえどころのない、またもしそういうものが存在するとして、人間の能力、人間の言語で、いったいどこまで何を語ることができるのか、非常に微妙な、そういう存在ですよね。神というようなものについて、かろうじて人間が語りうる、関わりうる、そういう道を開いてくれるものとして、哲学が非常に重要なものとしてあります。それは私が特殊なわけではないのですね。
私の一番の専門であるトマス・アクィナスを含め、キリスト教が、キリスト教以前の古代ギリシアで生まれ、元来は直接結びつきのなかったはずの哲学と結びつく、という仕方で発展してきたのは、ある種の必然性がありました。それは、私自身にとってもそうだったということですね。


●哲学を伝えるさいに大切にしていることは?

 講座などでは、私の言葉だけで説明するのではなくて、本を読みながらそれを解説しつつ説明していくことが多いのですが、そのさい重要なこととして、二つあると思うのです。一つはわからないことにこだわらずに、全体にとにかくまずふれてみる。全体としてどういう話なのか、ふれてみるということの大切さですね。
と同時に、それと矛盾するようでもあるのですが、わからないことに徹底的にこだわるということの重要さもある。わからないことに徹底的にこだわっていると、その時にはわからなくても、他の箇所を読み進めていったときに、ここを手がかりにすると以前わからなかった箇所と結びつけることで、その箇所の意味もわかってくるのじゃないか、というようなことが見えてきたりもするわけですね。
そういう意味で、わからないことにこだわらずに全体にふれてみるという姿勢と、わからないことに徹底的にこだわってみるという、一見相反するようにも思える二つのことを、同時に大事にしてみるということが、哲学、とくに古典にふれるときに非常に重要だと思っています。


●ご愛読書(the book)を一冊、教えてください。

 C.S.ルイスの『キリスト教の精髄』(新教出版社)です。『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスが書いたこの本は、ラジオでの講演に基づいたものなのですが、最も優れたキリスト教の入門書として世界中で読まれ続けています。難解な専門用語を使わずに、わかりやすい言葉で書かれているのに、内容的にはとても深いものです。キリスト教に関心のある人に真っ先に紹介する本ですが、私自身、折にふれて読み直すたびに、毎回とても大きなインスピレーションを与えてもらっています。十代のときから読み続けてきた、文字通りの愛読書です。





 吉水岳彦先生と若松英輔の対談、第二弾です。テーマは、「死と悲愛」について。お互いの信仰と学びを軸に、それぞれの立場を織りなしながら、語り合います。弱さを深く見つめていくことの大切さなどについて、皆さんとともに考えたいと思います。

《吉水岳彦先生より》
  『平家物語』には、源平の合戦で東大寺の焼き討ちを行った平重衡が、死罪を前に法然上人との面会を懇請する場面があります。許され得ぬ罪を悔い、泣きすがる重衡の話を聴く上人は、言葉もなく涙するのです。
 正しく生きたいと祈りながらも、罪を重ねる人間のかなしさは、現代も変わりません。周囲からの無理解と孤独の闇は、罪を生じさせ、より一層孤独を深めてゆきます。かなしい人間のさがを熟知し、共に涙する悲愛こそ、人生の闇を照らす光となり、混沌の世を共に生きる力となるのではないか――。若松さん、皆さんとともに、この大切なテーマについて、じっくりと考えてみたいと思います。

《若松より》
 人は誰も死をさけることはできません。むしろ、私たちは日々、懸命に生きつつあり、同時に「死につつ」もあるという存在です。それにもかかわらず、どう生きるのかばかりに心を奪われ、いかに死を受け容れるのかをなかなか考えようとはしません。
 ヘルマン・ヘッセの小説『シッダルタ』は、ある求道者の物語ですが、その最後にたどり着くのは「愛」の問題です。それは、誰か好ましい人を愛するというときの愛ではなく、「いのち」の根源にそそがれる愛、「悲愛」と呼ばれるものです。
 万物は悲愛のはたらきによって存在し、そしてつながってもいる。それは、宗教の差異を超えた根本問題なのではないかと考えています。
 死と愛、この二つの問いをめぐって、皆さんと深く感じ、考え直してみたいと思います。


講師 吉水岳彦(ひとさじの会事務局長・浅草山谷光照院住職)  
1978年、東京生。博士(仏教学)。2009年に「ひとさじの会」を発足。路上で暮らす人や身寄りのない人、何も持たざる人のもとへ行き、葬送や炊き出し、交流等を行う。現在、臨床仏教研究所研究員、大正大学非常勤講師、淑徳大学兼任講師、上智大学グリーフケア人材養成講座非常勤講師、東京慈恵医科大学病院非常勤講師。


<講座詳細>

【開催日時】2021年11月16日(火)19:15-21:00 (15分程度の休憩・質疑応答含む)
【受講料】 4,620円(税込)
【開催形式】 zoom開催
【回数】全1回
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】※募集終了
【持ち物】特にありません。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。





 古代ギリシアの哲学者アリストテレス(前384-322)の『ニコマコス倫理学』は、「倫理学」という学問を史上初めて体系化した古典中の古典です。
 アリストテレスの倫理学は、「幸福論的倫理学」と呼ばれます。人間はどのように生きれば幸福になることができるのかという人生の根本問題こそが、『ニコマコス倫理学』の取り組んでいる問題にほかならないのです。幸福に充実した人生を生きることにつながる「徳」と「知恵」をアリストテレスと共に学んでみませんか。
 この講座では、哲学書としては比較的平易なこの書物の第6巻から第10巻(最終巻)までを、丁寧にわかりやすく読み解いていきます。第1巻から第5巻までに触れたことのない方にも入っていきやすいよう、初回の冒頭において、第5巻までのエッセンスをお話しします。
 この書物は、中世を代表する哲学者トマス・アクィナス(1225頃-1274)などにも多大な影響を与え、現代においても、「倫理学」や「社会哲学」について考察するさいに極めて頻繁に引用・援用され続けています。たとえば、現代を代表する哲学者の一人であるアラスデア・マッキンタイアは、『美徳なき時代』において、『ニコマコス倫理学』に依拠した「徳倫理学」を展開し、世界中に多大な影響を与えています。『ニコマコス倫理学』を読み解くことは、古代から現代に至る西洋哲学の豊かな歴史に親しんでいくための最善の入り口にもなります。



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講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』(文藝春秋、若松英輔との共著)がある。


🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?
中学生の夏休みに、最初に読んだ哲学書がプラトンの『ソクラテスの弁明』です。短い何十ページかで読める文庫本で、非常に面白かった……続きはこちら

●哲学とは、どんな存在ですか?
哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのは……続きはこちら

それ以外にも山本先生がよくわかる質問はこちらをどうぞ


<各月のテーマと内容> 月2回・全6回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、アリストテレス『ニコマコス倫理学(下)』渡辺邦夫・立花幸司訳、光文社古典新訳文庫(2016年)を各自お手元にご用意下さい。
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。

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●第一回 2021年8月5日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 賢慮(思慮深さ)について(第6巻) ‪

 賢慮(フロネーシス)は、アリストテレスの倫理学・人間論の最大のキーワードの一つです。私達は、どのようにすれば自らの置かれた一つ一つの状況を的確に判断し、それぞれの状況に応じた最もふさわしい行動を選び取ることができるのでしょうか。「賢慮」概念を軸に考察していきます。‬‬ ※第1巻から第5巻までに触れたことのない方にも入っていきやすいよう、冒頭において、第5巻までのエッセンスをお話しします。




●第二回 2021年8月19日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「抑制のなさ(無抑制)」について(第7巻)

 「抑制のなさ(無抑制)」とは、一言で言えば、「わかっちゃいるけどやめられない」という状態のことです。師のプラトンとは異なり、アリストテレスは、「知」のみで欲望をコントロールすることはできないと考えたのです。私達はどのようにすれば自らの欲望を的確にコントロールしつつ、真に充実した人生を送ることができるようになるのか、アリストテレスのテクストを手がかりに考察します。




●第三回 2021年9月2日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「友愛」について(1)(第8巻)

 「友愛(友情)」についてのアリストテレスの理論は、哲学史上最も有名な友愛論です。古代末期から中世を経て現代に至るまで、多大な影響を与え続けています。現代においてもそのまま当てはまる愛・友愛についての生き生きとした考察をアリストテレスは展開しています。まずは、友愛成立の三条件、友愛の三種類といった基本的な話が述べられている『ニコマコス倫理学』第8巻を精読します。




●第四回 2021年9月16日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「友愛」について(2)(第9巻)

 第三回に引き続き、アリストテレスの友愛論を読み解きます。「真の自己愛」とは何か、友愛の解消、愛の始まりとしての好意、幸福な人に友人は必要か、人はどのくらい多くの友人をもつのがよいか、といった様々な問いを手がかりに友愛の本質を浮き彫りにしていきます。‬‬




●第五回 2021年10月7日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 幸福論の結論(第10巻)

 アリストテレスは、『ニコマコス倫理学』第1巻において、人間を幸福に導く典型的な生き方として、「実践的生活」と「観想的生活」の二つを挙げていました。「徳」に基づいた社会の中での実践的な活動と、真理探求の「観想的生活」とはどのような関係にあるのか。この問いを手がかりにしながら、人間の究極的な幸福について考えていきます。




●第六回 2021年10月21日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 『ニコマコス倫理学』全体のまとめと現代的意義

 『ニコマコス倫理学』において展開されている「人生の目的」「幸福」「徳」「賢慮」「節制」「友愛」など様々なテーマをめぐる豊かな考察は、単に、二千数百年前の一人の哲学者が考えた大昔の理論というだけではありません。現代を生きる私達が困難に満ちた時代と人生を生き抜くための多くの手がかりを与えてくれるのが『ニコマコス倫理学』です。そのような観点から『ニコマコス倫理学』全体の現代的意義を考察します。




<その他詳細>

【開催日時】 2021年8月より月2回、3か月間。全6回。 ※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、事前にアンケート・課題などがございますので、4営業日前まで初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
【持ち物】 アリストテレス『ニコマコス倫理学(下)』渡辺邦夫・立花幸司訳、光文社古典新訳文庫(2016年) ※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。

🎤山本先生インタビュー 🎤


●哲学にであったきっかけは?

 もともと本を読むのが好きだったのですが、最初に読んだ哲学書はプラトンの『ソクラテスの弁明』で、短い何十ページかで読める文庫本です。中学生の夏休みに読んだのがおそらく最初で、非常に面白かったですね。
 それまでも小説などはよく読んでいたのですが、哲学の本をきちんと読んだことはなくて、でもプラトンの本はどれも、哲学書なんですが、文学のように読めるんです。ソクラテスと誰かとの対話というような形式で書かれているからですね。
 文学作品を読んでいるときにも、人生について論理的に議論したりとか、ドストエフスキーなどにもそういうところが出てくるわけですね。そういう部分に強く関心を引かれるようなところがもともとあったのですが、プラトンなどを読むとそういう話がまさに中心的なテーマになっていて、しかもむずかしい言葉などそんなに使わず、論理的に掘り下げて考えていくのが、非常に面白いなと。
 プラトンは結局専門にすることなく今に至っていますが、そのとき以来、哲学というものを考えるとき、わかりやすい言葉で、人生に関わる事柄を徹底的に掘り下げて、論理的に考えていくプラトンの面白さ、それが一つの原点になっているなと思います。


●山本先生にとって哲学は、どんな存在ですか?

 仕事にもなっているので、哲学と自分の人生がもう不可分になっています。私の場合はやはりキリスト教が軸にあるので、「神」というようなものを考えようとすると、一番の武器になるのはやはり哲学なのですね。
 神というのは、ある種とらえどころのない、またもしそういうものが存在するとして、人間の能力、人間の言語で、いったいどこまで何を語ることができるのか、非常に微妙な、そういう存在ですよね。神というようなものについて、かろうじて人間が語りうる、関わりうる、そういう道を開いてくれるものとして、哲学が非常に重要なものとしてあります。それは私が特殊なわけではないのですね。
 私の一番の専門であるトマス・アクィナスを含め、キリスト教が、キリスト教以前の古代ギリシアで生まれ、元来は直接結びつきのなかったはずの哲学と結びつく、という仕方で発展してきたのは、ある種の必然性がありました。それは、私自身にとってもそうだったということですね。


●哲学を伝えるさいに大切にしていることは?

 講座などでは、私の言葉だけで説明するのではなくて、本を読みながらそれを解説しつつ説明していくことが多いのですが、そのさい重要なこととして、二つあると思うのです。一つはわからないことにこだわらずに、全体にとにかくまずふれてみる。全体としてどういう話なのか、ふれてみるということの大切さですね。
 と同時に、それと矛盾するようでもあるのですが、わからないことに徹底的にこだわるということの重要さもある。わからないことに徹底的にこだわっていると、その時にはわからなくても、他の箇所を読み進めていったときに、ここを手がかりにすると以前わからなかった箇所と結びつけることで、その箇所の意味もわかってくるのじゃないか、というようなことが見えてきたりもするわけですね。
 そういう意味で、わからないことにこだわらずに全体にふれてみるという姿勢と、わからないことに徹底的にこだわってみるという、一見相反するようにも思える二つのことを、同時に大事にしてみるということが、哲学、とくに古典にふれるときに非常に重要だと思っています。


●ご愛読書(the book)を一冊、教えてください。

 C.S.ルイスの『キリスト教の精髄』(新教出版社)です。『ナルニア国物語』の作者として有名なルイスが書いたこの本は、ラジオでの講演に基づいたものなのですが、最も優れたキリスト教の入門書として世界中で読まれ続けています。難解な専門用語を使わずに、わかりやすい言葉で書かれているのに、内容的にはとても深いものです。キリスト教に関心のある人に真っ先に紹介する本ですが、私自身、折にふれて読み直すたびに、毎回とても大きなインスピレーションを与えてもらっています。十代のときから読み続けてきた、文字通りの愛読書です。








ユング心理学とは、もともとは心理療法家であったユングの実践と経験から生まれたものです。誕生から100年経ったいまでも、ユング心理学は心理学や心理療法の専門家にとって重要なものでありつづけています。

だとしたら、ユング心理学は「専門家」のためのものなのでしょうか? 「専門家」ではない人がユング心理学を学ぶことはできないのでしょうか?
ユングはそのようには考えませんでした。むしろユング心理学は市民の共有財産、つまりみんなのものでなければならない、と。
いま、この世界を生きている私たちが私たち自身のために、日常の経験から出発してユング心理学を学ぶ。それがこのレクチャーの目標です。

ユング心理学にふれるのが初めてのかたはもちろん、学びを深めたいかた、日常の出来事や思いをもうひとつの視点から見つめ直してみたいかたにもおすすめの講座です。



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講師 大塚紳一郎(ユング派分析家候補生、公認心理師)
1980年、東京都に生まれる。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。2018年よりISAP(チューリッヒ)留学。訳書 ランク『出生外傷』(共訳、2013)メツル/カークランド編『不健康は悪なのか』(共訳、2015)ユング『ユング 夢分析論』(共訳、2016)同『心理療法の実践』(共訳、2018)同『分析心理学セミナー』(共訳、2019)チェインバーズ『心理学の7つの大罪』(2019)マーシュ『医師が死を語るとき』(2020、以上みすず書房)フェレンツィ『精神分析への最後の貢献』(共訳、岩崎学術出版社、2007)。



■若松からのコメント■
私たちはこれから、日本語でまったく新しいユングに出会うことになる。それだけでなく、ユングが、また河合隼雄がいったように「大塚心理学」さえ目撃するだろう。 この予想は外れないと思う。


■前回ご受講された方のご感想■
・大塚先生の穏やかな話し方と内容の明瞭さで、時が経つのがあっと言う間でした。
・とても楽しく、興味の扉が更に開かれた学びの時間でした。前のめりに拝聴しています。
・「日々の中で生きるため」にという言葉にこめた意味がわかってきた気がしました。生活にユング心理学を生かすことが出来ればよいなと思います。


<各月のテーマと内容>月2回・全8回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます

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●第一回 2021年6月8日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 悩むこと

私たちはいろいろなきっかけで悩みます。悩みがあるのはもちろん辛いことですが、ある意味では、悩みがあるというのはちゃんと生きていることの証でもあります。ユングは悩みが私たちにとって避けることのできないもの、いや、私たちに必要なものだとさえ言います。身近な経験から、この言葉の意味を考えてみましょう。




●第二回 2021年6月22日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 育てること

子育てを通じて人生が一変したと、多くの人が言います。育てるという体験には、こころにとって何か特別な意味があるようです。元型という見方を取り入れることによって、ユングはこの「育てる」という営みが持つ、独自の意味を探究していきました。育てることの難しさと、その意味について、考えてみましょう。




●第三回 2021年7月13日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 夢を見ること

私たちが毎夜、見ている夢。この夢が持つ、生きることそのものにとっての意味を、ユング心理学は大切に考えます。夢を見るというのはいったいどういう体験なのでしょうか? 夢を真剣に受け止めるというのはどういうことなのでしょうか? ユング心理学のはじまりの問いに向き合ってみましょう。

※若松ゼミ『民藝四十年』第十一回と同日開催です。お申込みの際にご注意下さい。




●第四回 2021年7月27日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 老いること

私たちはみな老い、やがて死んでいきます。年を重ね、もはやかつてのように生きることのできなくなった自分を受け入れるのは、けっして容易ではありません。けれども、老いを重ねることでしか向き合えない問いがあるとユング心理学は考えます。老いること、そのものの意味を問うてみましょう。




●第六回 2021年8月24日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 癒すこと

ユングは何よりもまず心理療法家であり、精神科医でした。ユング派の心理療法とは何よりもまず心の病や傷つきを癒すための営みです。他者の心の病や傷つきを癒すために私たちに何ができるでしょうか?それは私たちにとって、どういう体験なのでしょうか? 臨床家ユングと一緒に考えてみましょう。




●第五回

2021年8月10日(火)

→2021年9月7日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
※こちらの回は日程変更となりました。
 変わること

自分の生き方そのものを大きく変えなければならない。生きていく中で、そんな瞬間が訪れることがあります。では、生き方を変える、本当の意味で自分が変わるというのはどういうことなのでしょうか? それには何が必要なのでしょうか? ユングが「個性化」という言葉に込めた意味と共に考えてみましょう。



●第七回 2021年9月14日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 背くこと

私たちはときに間違いを犯します。それが些細な間違いであることもありますが、誰かを傷つけるものであることや、法や道徳に反するものであることもあります。悪とは善の欠如ではなく、それ自体で存在するものだ。ユングはそう言います。この言葉の意味を、私たち自身の経験から探っていきましょう。



●第八回 2021年9月28日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 生きること:リプライズ

ひとまずの最終回です。かつてユングは、「元型は生きている中の典型的な状況と同じ数だけ存在する」と言いました。日々の典型的な状況を表す言葉である「動詞」からユング心理学をはじめたとき、私たちに見えてきたのはどんな景色だったでしょうか? 元型と「生きること」。その関わりをもう一度問い直してみましょう。



<その他詳細>

【開催日時】 2021年6月より月2回・4か月間。全8回。※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】講座の前営業日9:00まで(コンビニ決済の方は、期限までにお支払いまでお済ませ下さい)
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、事前にアンケート・課題などがございますので、4営業日前まで初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
【持ち物】 特にありませんが、みすず書房や人文書院などから出版されているユングの著作のうち、御自身の関心に近いものを読んでおかれると、よりいっそう楽しんでいただけると思います。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。




今回は、法然上人に触れていただく手がかりとして、「人間の弱さを見つめることの大切さ」を皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。
法然上人の思想を示す言葉に「還愚(げんぐ)」というものがあります。この「還愚」とは、自己のいたらなさや弱さを深く見つめていくことであり、法然上人の思想や浄土教を理解するうえで最も肝要なところです。
法然上人は一切の経典を5回も繰り返し読み直すほどの博覧強記の人物でありながら、さまざまな修行も重ねています。しかし、それらをすべて捨て、お念佛のみになっていきます。弱さや愚かしさを捨てきることができない人間の救われる道は、お念佛を申すほかにはないと見出されたからです。
豊かな霊性をそなえ、真に人間の宗教を打ち立てた法然上人。この機に、ぜひ出会っていただけたらと願っています。


講師 吉水岳彦(ひとさじの会事務局長・浅草山谷光照院住職)  
<略歴>1978年、東京生。博士(仏教学)。2009年に「ひとさじの会」を発足。路上で暮らす人や身寄りのない人、何も持たざる人のもとへ行き、葬送や炊き出し、交流等を行う。現在、臨床仏教研究所研究員、大正大学非常勤講師、淑徳大学兼任講師、上智大学グリーフケア人材養成講座非常勤講師、東京慈恵医科大学病院非常勤講師。


<講座詳細>

【開催日時】2021年9月9日(木)19:15-21:00 (15分程度の休憩・質疑応答含む)
【受講料】 4,620円(税込)
【開催形式】 zoom開催
【回数】全1回
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】※募集終了
【持ち物】特にありません。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



 古代ギリシアの哲学者アリストテレス(前384-322)の『ニコマコス倫理学』は、「倫理学」という学問を史上初めて体系化した古典中の古典です。
 アリストテレスの倫理学は、「幸福論的倫理学」と呼ばれます。人間はどのように生きれば幸福になることができるのかという人生の根本問題こそが、『ニコマコス倫理学』の取り組んでいる問題にほかならないのです。哲学書としては比較的平易なこの書物を、この講座では、冒頭から丁寧にわかりやすく読み解いていきます。
 この書物は、中世を代表する哲学者トマス・アクィナス(1225頃-1274)などにも多大な影響を与え、現代においても、「倫理学」や「社会哲学」について考察するさいに極めて頻繁に引用・援用され続けています。たとえば、現代を代表する哲学者の一人であるアラスデア・マッキンタイアは、『美徳なき時代』において、『ニコマコス倫理学』に依拠した「徳倫理学」を展開し、世界中に多大な影響を与えています。『ニコマコス倫理学』を読み解くことは、古代から現代に至る西洋哲学の豊かな歴史に親しんでいくための最善の入り口にもなります。


講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書)、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)、『キリスト教講義』(文藝春秋、若松英輔との共著)がある。


<各月のテーマと内容> 月2回・全6回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、アリストテレス『ニコマコス倫理学(上)』渡辺邦夫・立花幸司訳、光文社古典新訳文庫(2015年)を各自お手元にご用意下さい。
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。



●第一回 2021年5月6日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「幸福」とは何か (『ニコマコス倫理学』第一巻) ‪

人生の究極目的は幸福になることである、という馴染みやすいテーマから『ニコマコス倫理学』は始まります。人生にそもそも究極目的は存在するのか、幸福とは何であるのか、といった基本的なテーマについてお話しながら、アリストテレスと『ニコマコス倫理学』に対する入門的な説明を行います。




●第二回 2021年5月20日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「倫理学」とは何か (『ニコマコス倫理学』第一巻)

アリストテレスの倫理学は、「幸福論的倫理学」と呼ばれます。人間はいかにすれば幸福になれるかという観点から構築された倫理学という意味です。「義務」や「禁止」といった概念を軸に展開される「義務論的倫理学」と対比しながら、アリストテレスの倫理学の基本構造を説明します。




●第三回 2021年6月3日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「徳」とは何か (『ニコマコス倫理学』第二巻)

「幸福」は「幸運」と同じではありません。たとえ様々な幸運に恵まれていても、その幸運を生かすための人間的な力量が欠如していれば、人間は幸福な人生を送ることはできません。そうした力量のことをアリストテレスは「徳(アレテー)」と呼びました。「徳」とは何であり、どのようにして身につけることができるのか、お話しします。




●第四回 2021年6月17日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「勇気」と「節制」 (『ニコマコス倫理学』第三巻)

「徳」の中でも最も重要な徳として、アリストテレスは、「賢慮(判断力)」「正義」「勇気」「節制」という四つの徳を挙げています(後の時代に「枢要徳」という言葉で呼ばれるようになります)。その中から、私達にとっても身近な「節制」と「勇気」という「徳」について詳しく考察していきます。




●第五回 2021年7月1日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 様々な「徳」 (『ニコマコス倫理学』第四巻)

アリストテレスは、「枢要徳」以外にも実に様々な「徳」について考察しており、現代の私達にとってもとても身近で参考になる論述が数多くなされています。「気前良さ」「物惜しみのなさ」「志の高さ」「温和さ」「機知」「羞恥心」といった具体的な「徳」についてわかりやすくご説明していきます。




●第六回 2021年7月15日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 「正義」とは何か (『ニコマコス倫理学』第五巻)

「正義」とは、対人関係において発揮される「徳」のことです。他者を他者として尊重し、社会を社会として尊重する力と言えましょう。社会の中で他者と共に生きていかざるをえない私達は、どのような力を身につければ充実した共同生活を送ることができるのでしょうか。そのような観点から「正義」の徳について考察していきます。




<その他詳細>

【開催日時】 2021年5月より月2回、3か月間。全6回。 ※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】 ※募集終了
【持ち物】 アリストテレス『ニコマコス倫理学(上)』渡辺邦夫・立花幸司訳、光文社古典新訳文庫(2015年) ※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。


 <今週の短歌 6/30>

傾けて傾けてもう滴らぬ夢の器か人の終わりは

夢を見ているときの「自分」と、起きているときの「自分」は、違う人間なのでしょうか。
会えるはずのない人と夢で再会できた嬉しさを思うと、夢の世界は現実世界と地続きのような気がします。人生の最後の最後に、楽しい夢のかけらを味わえたらよいのだけれど…と夢想します。




――短歌をつうじて、「読むと書く」の窓をいっそう開いてゆきましょう。

「短歌」という小さなかたちは、広大な風景や複雑な心情を注ぎ込むことのできる不思議な器です。万葉の昔から現代に至るまで、人々は折々の思いをこの器に注ぎ込んできました。歌を詠むことで人は自ら慰められ、力を得ることができるからでしょう。

本講座では「自分をみつめる」「働く日々」などのテーマごとにさまざまな歌を鑑賞し、普遍的な心情や時代背景などを読み解いてゆきます。鑑賞を重ねることは、作歌するうえで何よりの糧にもなります。
歌を作ることに関心のある方のために、講座の前週の火曜日までにお送りいただいた歌を鑑賞したり、アドバイスしたりするコーナーももうけます。

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講師 松村由利子(歌人)
<略歴>1960年、福岡県生まれ。西南学院大学文学部卒。新聞記者として20余年勤めた後フリーランスライターに。歌集に『大女伝説』(葛原妙子賞)、『光のアラベスク』(若山牧水賞)など。著書に『31文字のなかの科学』(科学ジャーナリスト賞)、『与謝野晶子』(平塚らいてう賞)、『短歌を詠む科学者たち』など。沖縄県石垣市在住。



🎤松村先生インタビュー 🎤


●短歌に出会ったきっかけは?
学生時代からなんとなく好きだったんです。口数が多い方ではなかったから、凝縮して小さな香水の瓶にいれるように短歌を詠むことが……続きはこちら

●短歌は生きていくうえでどんなものを与えてくれますか?
自分の発見でしょうか。(短歌を)作らなければ出てこなかった自分ていうものが必ずあるはずですよね……続きはこちら

●短歌とは、どんな存在ですか?
ある時期までは、自分を慰め、励ましてくれるものでしたね。今はもう少し、自分と共にある存在というか、自分をどこかに連れてってくれるような……続きはこちら

それ以外にも松村先生がよくわかる質問はこちらをどうぞ



<テーマと内容> zoom開催

※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。 会員証をお持ちでない方は、初めての方はこちらよりお申し込み下さい。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。

※音声講座の販売が決定いたしました! くわしくは 音声講座をご覧下さい。

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●第一回 2021年2月8日(月)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 自分をみつめる

短歌は「一人称の文学」といわれます。一首の主人公は、多くの場合「われ」です。自分の内面をみつめた歌の数々を読むことで、時空を超えて多くの「われ」、また、それに共感するあなた自身の「われ」と出会えるはずです。
「こみ合へる電車の隅にちぢこまるゆふべゆふべの我のいとしさ(石川啄木)」




●第二回 2021年3月8日(月)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 風景を切りとる

現代人は日常の風景に目をとめる余裕もなく、慌ただしく過ごしています。古今の歌人が詠んだ風景を味わい、日本に暮らす喜び、また地球という星の美しさを堪能しましょう。想像上の風景を詠んだ歌も愉快です。
「どんなにかさびしい白い指先で置きたまいしか地球に富士を(佐藤弓生)」



●第三回 2021年4月12日(月)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 大切な人への思い

恋に落ちたとき、家族と離れ住むとき……人の思いは千年前も今も変わりません。そのことを数々の歌で確かめながら、表現の移り変わりを味わいます。
「相思はぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後に額つくごとし(笠女郎)」
「日々生まれ替はる私の細胞のどこがあなたを恋してゐるのか(片岡絢)」




●第四回 2021年5月10日(月)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 働く日々

会社勤めや家事や育児……人はみな何らかの仕事を果たして日々を過ごしています。働くつらさはもちろん、働く喜びもまた多く詠まれています。
「トレーラーに千個の南瓜と妻を積み霧に濡れつつ野をもどりきぬ(時田則雄)」
「たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく(山田航)」




●第五回 2021年6月14日(月)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 みんな子どもだった

子どもを詠んだ歌には、特別な輝きと温かみがあります。かつて子どもだったころを思い出し、親の愛情を思い出すことで誰もが元気をもらえます。
「押入にひそむこの子よ父われのわるきところのみ伝はりけらし(斎藤茂吉)」
「喘息と言われた子供の咳を聞く聖書のように医療書を読み(川本千栄)」




●<最終回> 2021年7月12日(月)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 老いと死をみつめる

近しい人との別れの悲しみは、どんな時代も変わりません。高齢社会では介護の歌も増えており、生の本質を突きつけてきます。
「私が死んでしまえばわたくしの心の父はどうなるのだろう(山崎方代)」
「癌センター二度と来なくていいのよと冷たき指に触れてささやく(平岡三和子)」




<その他詳細>

【開催日時】 第2月曜日開催 19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】 ※募集終了

【持ち物】 特にありません。
毎回、事前にA4 2枚程度の資料(講座で取り上げる歌をまとめたもの)をレジュメとして配布します(前日までにPDFにてメールでお送り致します)。当日、zoom画面(お話ししながらパワーポイントを紙芝居のようにお見せします)に集中して頂くためです。歌の作者やその歌の収録されている歌集タイトルについては、資料にあるのでメモする必要はありません。各自お好きなように筆記して下さい 。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。

※投稿いただいた短歌につきましては、講座資料への掲載や、講座内で講師がコメントさせて頂くことがございます。あらかじめご了承下さい。

🎤松村先生インタビュー 🎤


●短歌に出会ったきっかけは?

 なんとなく好きだったんです。学生時代に祖父母の家に行って、与謝野晶子の歌集を借りたかったんですけど貸してもらえなくて。祖父は短歌が好きな人で、でも本は貸さない主義で孫娘でもだめだったから、行くたびにノートに書き写してたんです。
 新聞歌壇に投稿したりしていたんですけど、長いものを書くよりも、凝縮して小さな香水の瓶に入れるように短歌を詠むことが、自分と合ってたんですね。親にもあまりいっぱい話すほうではなくて、口数が多いほうではなかったから、31文字に収めて安心するみたいなところがありました。
 ちゃんと短歌を勉強したいなと思ったのは、息子を産んだときです。当時新聞社にいましたけど、産休で時間ができて、赤ん坊とのスナップ写真を撮るみたいに歌を作り始めました。いつまでもこんなふうに作るんじゃなくてちゃんとした結社に入って勉強したいなと思って。
  どこでもそうなのかはわからないんですけど、「かりん」は学校みたいなところがあって、入って3年くらいのうちに新人賞取らなきゃだめ、といわれて、そうなのかと思って応募して、なんとか3年経つくらいのときに受賞できたので、非常にラッキーでした。
歌会に行き、いろんな年齢層の人、いろんな人がいるのに、パートナー、親よりもはるかに深く、一首から自分の思っていることを理解してくれるという経験をして、言葉に対する信頼、言葉の力というのを、感じさせられましたね。
 どうしてこれだけの短い形から、私の気持ちをこんなに汲んでくれるのか、みたいな経験を私自身はしたんですね。歌に込めた思いというのは、必ず伝わるんだなっていう経験をしたのは大きいですね。


●表現の形として短歌を選んだ理由は?

 余白のおもしろさでしょうか。全部言ってしまわない。ある場面を細かく描写するんじゃなくて、イメージで構成するみたいなおもしろさがありますよね。その余白の読み取りが経験とか、感性によって変わってくるおもしろさがあります。
 一つ一つの積み重ねというか、それによっても読み取りが変わってきますね。自分自身がある一首を解釈するにしても、20代の私と今の私は感じ方が違ったりしますよね。どこまで深く、潜っていけるか、浸っていけるかは、おもしろさかもしれません。


●短歌を詠むときに大事にしていることは?

 納得できる言葉を探すということでしょうか。人それぞれあると思うんですけど、一首できたなって思うときがあるんですよ。一応形にはなっても、これ変だなみたいなものはあって、それをそのままの形で出すことはないですね。自分が納得できるところまでは、ちゃんと作り上げるっていうことでしょうか。
 あとはここ数年、文語に寄りかかるような、らしい表現でなんとなく歌い納めてしまうのではなくて、もうちょっと今の言葉で言えないかな、というのは最近自分に課していることです。
 でも口語であろうと等身大の自分かって言ったら、そうじゃないんです。どっちがいいではなくて、好みだと思います。使う言葉をどう選ぶかというときに、定まってくる歌い方、表現というものがあるので、ぜんぜん使わないかというと、そうではないですね。


●近しい、大事に思っている歌人はいますか?

 一番は師匠の馬場あき子なんですけど、いつも見上げているひとは、米川千嘉子さんです。一首の中に、ものすごく深いものが必ずある。もののの見方がすごく変わってたりして。一番好きですね、むかしから。


●この一首、という作品はありますか?

 講座でも紹介した、「教卓を叩きしわれの醜ければ生徒らはふと口を噤めり」ですね、いつも涙ぐんじゃうんですけど。このような内省が持続してるんですよ、20代から。好きな歌はもうたくさんありすぎますけど、一番象徴的なのはそれですね。きれいに収めないというか、自分の暗さを凝視するみたいな眼差しがすごくいいんですよ。古典の素養が非常に豊かなので調べもいいですし。私にとってはつねに、一番の歌人ですね。


●短歌は、生きていくうえでどんなものを与えてくれますか?

 自分の発見でしょうか。歌に限らず、日記でもいいんでしょう、小説でも何でもいいんですけど、書かなければ出てこなかった自分っていうものが必ずあるはずですよね。
何を詠むかということでも、自分があらわれる。日常は歌を作ってなかったらすっと流れてしまうけれど、あのとき私はこういうことを思っていた、感じていたんだっていうある種の記録になりますし。
 歌を作るのには、初期を除けばやっぱりひねり出すわけですね、自分の中から。そういうときに、思いもかけない言葉、大きなイメージ、思想の欠片みたいなのが出てくる。自分はこんなことを考えていたのかとか、こんな変なやつだったのかとか、自分の中にはこういう憧れがあったけどふだんふたをしていたな、と気づかされます。自分を開放するみたいなところもありますし、自分発見というのは、おもしろいことだと思うんですよね。
 自分の中にある暴力性とか、いろいろあると思います。みんな大人だし、きちんと自分を一人の社会人として世の中に順応させているわけですよね。そのふたみたいなのを取ってしまって、ちょっと糸を手繰ってみたら、はみ出してる人いるじゃない、みたいな。そんな自分を発見すると、言葉の世界でいくらでも遊べるわけですから、虚実ないまぜで、恋を妄想してもいいし、政治批判したっていいし、歌がなかったら、つまらなかっただろうなっていうのもあります。
 自分の中にあるものを見つける、自分にしかないものがもしかしたらあるかもしれないと思って探す。
 あとは喜びかな、と思います。油断しているともう歌は逃げていって、ちょっと怠けると歌ができないということになるんですけれども。言葉と真面目に付き合うということが30年ぐらい続いていて、とてもよかったなと思います。これからも手放すことはないだろうなと。


●詠めない時期もありますか?

 コンスタントに毎月出すものなので、いつも詠んでいます。締切がないと作れないところもあるのですけれど。
 自分が作るだけじゃなくて人の歌集もよく読みますから、こういう繰り返しによって、あるリズムというか、一首で何かを表現するのが日常というか、つねに身近にあるものとして存在しています。

●松村先生にとって短歌は、どんな存在ですか?

 ある時期までは、自分を慰め、励ましてくれるものでしたね。今はもう少し、自分と共にある存在というか、自分をどこかに連れてってくれるような存在でしょうか。
 優れた歌は、現実世界に切れ目、裂け目を生じさせるようなもので、一首読んだとたんにバーッと違う世界が見えたりとか、現実世界が変わって見えたりとか、こういう価値観が、こういう世界があるみたいなのを見せてくれる力を持つものだと思います。
 もしかしたら一生のうちにそういうものが作れるかもしれないっていうようなことをちょっと思ったりもします。そのために、コツコツ作り続けるしかないのかなと。





思うようにならぬ人生のあらゆる苦を直視し、その超克を求めた仏陀釈迦牟尼の説く仏教は、いまを生きていくために、自分の人生の上に学ぶ宗教です。本講は、路上生活者との出会いで自己の無知に気づかされた講師が、彼らに接するなかで教えられた仏教思想の「無常」と「無我」について論じていきます。


講師 吉水岳彦(ひとさじの会事務局長・浅草山谷光照院住職)  
<略歴>1978年、東京生。博士(仏教学)。2009年に「ひとさじの会」を発足。路上で暮らす人や身寄りのない人、何も持たざる人のもとへ行き、葬送や炊き出し、交流等を行う。現在、臨床仏教研究所研究員、大正大学非常勤講師、淑徳大学兼任講師、上智大学グリーフケア人材養成講座非常勤講師、東京慈恵医科大学病院非常勤講師。



■若松からのコメント■
 もし、誰かから「仏教入門」を学べるとしたら、と考えて、真っ先に思い浮かんだのが吉水岳彦さんでした。吉水さんは、優れた仏教研究者であるだけでなく、僧としても現場でさまざまな活動を展開しています。また、霊性の教学と呼ぶべきものを打ち立てた山崎弁栄をめぐっても思索を深めています。
 「仏教入門」と題する本は沢山あります。しかし、生きた仏教が語られた本はけっして多くないのです。吉水岳彦さんは、まさにそれを語り得る、稀有な人物の一人です。ぜひ、ご参加下さい。


<講座詳細>

【開催日時】2021年5月31日(月)19:15-21:00 (15分程度の休憩・質疑応答含む)

【講義・対談の内容】

前半:【机上の無常と現実の無常】
「すべてのものは時々刻々とうつりかわり、変化しつづけてとどまることがない。これが無常である」と。寺院で生まれ育って僧侶を志し、大学で仏教を学んだわたしは、そんな基本的な仏教の思想はわかっているつもりでした。ところが、博士論文執筆中に出会った路上に暮らす人々によって、実は自分が仏教の基本を何にもわかっていないことに気づかされたのです。


後半:【無我:この世に無関係なものなどない】
「すべてのものは仮に諸要素が集まって構成されているにすぎず、執着すべき不変の存在はない。これが無我である」と。前半と同じく、そんな仏教の基本思想は、頭ではわかっているつもりでした。しかし、それが徐々に現実的、立体的になっていったのは、これもまた、路上に生きる人たちとの交流によってでした。


【受講料】 4,620円(税込)
【開催形式】 zoom開催
【回数】 全1回
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】 ※募集終了

【持ち物】特にありません。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。






ユング心理学とは、もともとは心理療法家であったユングの実践と経験から生まれたものです。誕生から100年経ったいまでも、ユング心理学は心理学や心理療法の専門家にとって重要なものでありつづけています。

だとしたら、ユング心理学は「専門家」のためのものなのでしょうか? 「専門家」ではない人がユング心理学を学ぶことはできないのでしょうか?
ユングはそのようには考えませんでした。むしろユング心理学は市民の共有財産、つまりみんなのものでなければならない、と。
いま、この世界を生きている私たちが私たち自身のために、日常の経験から出発してユング心理学を学ぶ。それがこのレクチャーの目標です。

ユング心理学にふれるのが初めてのかたはもちろん、学びを深めたいかた、日常の出来事や思いをもうひとつの視点から見つめ直してみたいかたにもおすすめの講座です。

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講師 大塚紳一郎(ユング派分析家候補生、臨床心理士、公認心理師)
1980年、東京都に生まれる。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。2018年よりISAP(チューリッヒ)留学。訳書 ランク『出生外傷』(共訳、2013)メツル/カークランド編『不健康は悪なのか』(共訳、2015)ユング『ユング 夢分析論』(共訳、2016)同『心理療法の実践』(共訳、2018)同『分析心理学セミナー』(共訳、2019)チェインバーズ『心理学の7つの大罪』(2019)マーシュ『医師が死を語るとき』(2020、以上みすず書房)フェレンツィ『精神分析への最後の貢献』(共訳、岩崎学術出版社、2007)。



<各月のテーマと内容>月2回・全6回 zoom開催

※各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。

※音声講座の販売が決定いたしました! くわしくは 音声講座をご覧下さい

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●第一回 2021年3月9日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 生きること 

ユング心理学は心の病とその治療法だけを対象にした学問ではありません。ユング心理学を私たちすべてにとっての共有財産にするために、いま、この世界を生きている私たちにとってのユング心理学の意味を共に探っていきましょう。初回なのでユング心理学と全体のテーマの関連について、簡単なご紹介もする予定です。




●第二回 2021年3月23日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 信じること

かつてユングは心理療法を必要とするのは既存の宗教を信じることのできない人だと語りました。その一方で、宗教や錬金術など、「信じること」にまつわる営みをユングは熱心に研究しています。「信じること」の難しさと意義深さ。その両面を行ったり来たりしながら考えていきましょう。




●第三回 2021年4月13日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 感じること

私たちにとって感情とはどのようなものでしょうか? 喜怒哀楽の感情は私たちが生きる上で欠くことのできないものである一方で、たとえば「感情的になる」という表現には明らかに非難のニュアンスがあります。「感じる」という心の働きについて、ユングのタイプ論から考えていきましょう。




●第四回 2021年4月27日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 書く/描くこと

文章を書くことや、絵や図表を描くことは(ある意味では)私たちにとってありふれた行為です。けれども、ユングはこの書く/描くことが私たちにとって特別な意味を持つ営みだと考えました。ユングの臨床実践も参照しながら、書く/描くことの心理学にチャレンジしてみましょう。




●第五回 2021年5月11日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 働くこと

仕事とは単なる金銭を得るための手段ではありません。働くというのは私たちが生きることに意味を見出すための、とても大切な道でもあります。ユングが「人生の前半」の課題のひとつと見なしたこの働くことについて、こころの成長という観点から一緒に考えていきましょう。




●第六回 2021年5月25日(火)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 愛すること

「無意識はまず運命として姿を現す」。ユングはいろいろな機会にこんな風に語っていました。この言葉を実感するための、もっとも身近な形が恋愛でしょう。親しくなること、共に生きること、そして愛すること。私たちにとって大切な、ただし困難な、このこころの課題について考えてみましょう。




<その他詳細>

【開催日時】 2021年3月より月2回・3か月間。全6回。※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】 ※募集終了
【持ち物】 特にありませんが、みすず書房や人文書院などから出版されているユングの著作のうち、御自身の関心に近いものを読んでおかれると、よりいっそう楽しんでいただけると思います。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。




アウグスティヌス(354-430)の自伝的な著作である『告白』は、キリスト教文学・キリスト教思想の最大の古典です。
小説のような読みやすさと面白さで読者を惹きつけるこの著作のうちには、神、愛、善、悪、神秘、自由意志、出会いと別れ、生と死、時間と永遠など、キリスト教思想の、いや人生そのものの根本問題が凝縮して述べられています。

様々な悩み苦しみを経つつ、アウグスティヌスの「自己」は何度も解体され、変容しつつ、自分自身と、隣人と、そして神と出会いなおしていきます。
様々な苦しみ・悲しみを抱きながら現代に生きる我々も、『告白』を読むことを通じて、アウグスティヌスの自己変容の物語を追体験しつつ、人生の出来事を受けとめながら新たな自己を築き上げていくための手がかりを得ることができます。

今回の講座では、そのような観点から、『告白』を丁寧に通読していきます。
『告白』を冒頭から最後まで丁寧に読み解き、アウグスティヌスの思想と生涯を学ぶことを通じて、受講者のみなさんがこれらの根本問題に取り組んでいくための様々な手がかりを提供していきたいと考えています。

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アウグスティヌス『告白』を読む ―魂の変容の旅路― 山本芳久先生より


講師 東京大学教授 山本芳久
東京大学教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)がある。



■若松からのコメント■
『新約聖書』は別にして、キリスト教とは何かをもっとも平易に、そして豊かに語っているのがアウグスティヌスの『告白』です。キリスト教という狭い世界に限定されず、西洋哲学、神学、さらに文学が一つになった古典中の古典なのです。
神とは何か、たましいとは何か、あるいは生きる意味とは何かを照らし出す光に満ちた言葉であふれています。 この本がなければ、トマス・アクィナスの哲学もまったく変わっていたでしょうし、キリスト教そのものが大きくその姿を変えていたと思います。それだけでなく、この本はこれまで多くの哲学者、文学者にとってもさまざまな影響を与えてきました。
「キリスト教とは何か」という問題だけでなく、「わたしとは何か」という問題においても、この本はゆたかな、そして、たしかな叡知を読む者に与えてくれます。
講師の山本芳久さんは、この本を原書で深く、長く、読んできました。現代日本でこの本を語るのに、もっともふさわしい方です。私も多くを学びたいと思っています。ぜひ、ご参加ください。



<各月のテーマと内容> 月2回・全12回 zoom開催

※一つのテーマを2回に分け、内容を深めて参ります。各回、講座内容は異なりますので、一回ずつでもお楽しみ頂けます。
※テキストとして、アウグスティヌス『告白(I, II, III)』中公文庫(2014年)を各自お手元にご用意下さい。
※「読むと書く」会員様のみご参加頂けます。
初めての方はアンケート・課題を当事務局で確認後のご入会およびご入金となりますので、 講座の4営業日前までのお申し込みとさせて頂きます。

※音声講座の販売が決定いたしました! くわしくは 音声講座をご覧下さい

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●第一回 2020年11月5日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
●第二回 2020年11月19日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 『告白』第一巻・第二巻

「あなた〔神〕は私達を、ご自身にむけてお造りになりました。ですから私達の心は、あなたのうちに憩うまで、安らぎを得ることができないのです」という冒頭の有名な言葉を手がかりに、アウグスティヌスが一生をかけて追い求めたものが何であったのかを浮き彫りにします。




●第三回 2020年12月3日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
●第四回 2020年12月17日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 『告白』第三巻・第四巻

17歳から28歳に至る青年時代のアウグスティヌスは、彼の人生にとって極めて重要な様々なものに出会います。恋人との出会い、哲学との出会い、マニ教との出会い、友人との出会いと別れなどを分析しながら、「知恵」「愛」「悲しみ」といったテーマについて掘り下げて考察します。




●第五回 2021年1月7日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
●第六回 2021年1月21日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 
『告白』第五巻・第六巻

アウグスティヌスは若き日より、「悪はどこからやってくるのか?」という問題に悩んでいました。「悪しき神」を立てることによってこの問題を解決しようとしていたマニ教に入信していたアウグスティヌスがどのような仕方でマニ教から離脱しキリスト教へと近づいていくのかを丁寧に読み取っていきます。




●第七回 2021年2月4日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
●第八回 2021年2月18日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 
『告白』第七巻・第八巻

アウグスティヌスは、32歳のときにいよいよキリスト教に回心します。「回心」とはいかなる出来事なのか。何が「回心」を促し、何が「回心」の妨げとなるのか。悪とは何か、自由意志とは何か、霊と肉との葛藤とはどのようなものか。アウグスティヌスの生涯と思索の一大クライマックスに触れていきます。




●第九回 2021年3月4日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
●第十回 2021年3月18日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 『告白』第九巻・第十巻

第九巻においては、アウグスティヌスの洗礼と母モニカの死、母の死の直前に二人で経験した美しい神秘体験などについて分析します。第十巻は、アウグスティヌスが過去の自己ではなく、現在の自己がどのようなものであるのかを分析する部分であり、「記憶」についての有名な議論が展開されていきます。




●第十一回 2021年4月1日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
●第十二回 2021年4月15日(木)19:15~ 4,620円(税込) ※募集終了
 『告白』第十一巻・第十二巻・第十三巻

『告白』の最終部である第11-13巻では、『旧約聖書』冒頭の「創世記」についての詳細な解釈が述べられます。そこで展開される「時間」についての哲学的な考察は、哲学史上最も有名な時間論の一つとなっています。アウグスティヌスの豊かな聖書解釈を味わいつつ、『告白』の全体をあらためて振り返り、まとめとします。




<その他詳細>

【開催日時】 2020年11月より6か月間、全12回。 月二回・木曜日開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】 ※募集終了
【持ち物】 アウグスティヌス『告白(I, II, III)』中公文庫(2014年) ※各自お手元にご用意下さい。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。



  <今週の短歌 4/1>

透きとおる鳥の魂あつめられ冬天かくも深き青なり

高村光太郎の詩に「きっぱりと冬が来た」という一節がありますが、冬のきりっと冷たい大気は心を透明にしてくれるような感じがします。
人間の心よりも、もっと透明であろう鳥たちの魂を思ったとき、深みのある冬空の色は、長旅をする渡り鳥たちの魂が集められているからではないか、と思いつきました。短歌は、こんなふうに自由な空想から生まれるもので、時に天から降ってきたもののように思えることもあります。




 日本は四季それぞれの風物に恵まれています。折々の風景やさまざまな花、自然の恵みなどを楽しみながら、私たちの思いも季節の移ろいと共に変化します。万葉の昔から、人々は花を愛でつつ自分の人生と重ね、変わらぬ自然の風景と人間の生のはかなさを歌に詠んできました。昔ながらの田園風景だけでなく、都会の風景も季節の変化を映し出します。四季のなかで私たちは何を感じ、何を思ってきたのか、優れた短歌を鑑賞しながら、それぞれの季節の美しさ、楽しさ、そしてそこに生きる喜びを味わいたいと思います。
 この講座では受講者から歌を募り、それをご一緒に鑑賞するコーナーももうけます。投稿の締め切りは4月4日(日)23:59です。(投稿歌のなかから、6~7首をとりあげさせていただく予定です) みなさまぜひ、ご参加下さい。

講師 松村由利子(歌人)
<略歴>1960年、福岡県生まれ。西南学院大学文学部卒。新聞記者として20余年勤めた後フリーランスライターに。歌集に『大女伝説』(葛原妙子賞)、『光のアラベスク』(若山牧水賞)など。著書に『31文字のなかの科学』(科学ジャーナリスト賞)、『与謝野晶子』(平塚らいてう賞)、『短歌を詠む科学者たち』など。沖縄県石垣市在住。


<講座詳細>

【開催日時】2021年4月8日(木)10:00-11:45(10分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 4,620円(税込)
【開催形式】 zoom開催
【回数】 全1回
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】 ※募集終了

【持ち物】特にありません。 毎回、事前にA4用紙2枚程度の資料(講座で取り上げる歌をまとめたもの)を配布します。当日、zoom画面(お話ししながらパワーポイントを紙芝居のようにお見せします)に集中していただくためです。歌の作者やその歌の収録されている歌集タイトルについては、資料にあるのでメモする必要はありません。各自お好きなように筆記してください。

※この講座は、録音をさせて頂く場合がございます(後日音声講座となる可能性がございます)。その際、ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。お名前など個人が特定できる情報につきましては、削除をさせて頂きます。
※投稿いただいた短歌につきましては、講座資料への掲載や、講座内で講師がコメントさせて頂くことがございます。あらかじめご了承下さい。





いま、私たちはかつての時代とは大きく変わってしまった世界を生きています。

「働くこと」も「愛すること」も、これほどまでに難しい時代はかつてあったでしょうか? 
「大人になること」や「信じること」が不可能にさえ思える世界はこれまで存在したでしょうか? 

「自分自身」であること、あるいは「個」であることがおそろしく困難な世界を、いま私たちは生きています。
これほどまでに難しい世界の中でこそ、ユング心理学を学ぶことに「意味」がある。私はそう思っています。
生きることに「意味」を見出すという営みこそが、ユング心理学の本質そのものだからです。

ユング心理学の世界にいちど、あるいはもういちど、旅に出かけてみませんか?

講師 大塚紳一郎(ユング派分析家候補生、臨床心理士、公認心理師)
1980年、東京都に生まれる。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。2018年よりISAP(チューリッヒ)留学。訳書 ランク『出生外傷』(共訳、2013)メツル/カークランド編『不健康は悪なのか』(共訳、2015)ユング『ユング 夢分析論』(共訳、2016)同『心理療法の実践』(共訳、2018)同『分析心理学セミナー』(共訳、2019)チェインバーズ『心理学の7つの大罪』(2019、以上みすず書房)フェレンツィ『精神分析への最後の貢献』(共訳、岩崎学術出版社、2007)。



<各月のテーマと内容> 月2回・全12回 zoom開催

※一つのテーマを2回に分け、内容を深めて参ります。各回、講座内容は異なります。


●第一回 2020年9月8日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
●第二回 2020年9月29日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 ユングとは何者だったのか?

いま、この世界の中でユング心理学を学ぶことにどのような意味があるでしょうか? この大切な問いに取り組むために、ユング心理学が生まれた背景や経緯を丁寧に辿っていきます。こころを使ってこころに取り組むとはどのようなことなのか。ユング自身の経験と人生から探っていきましょう。




●第三回 2020年10月13日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
●第四回 2020年10月27日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 コンプレクス──私たちは無意識とどう出会うか?

「コンプレクス」という耳慣れた言葉は、じつはユング心理学の最重要用語でもあります。コンプレクスを知るということは「無意識」と出会うということ。私たちの日常的な経験から、若き日のユング自身の研究や最新の研究まで踏まえて、「無意識と出会う」ことの意味について考えていきましょう。




●第五回 2020年11月10日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
●第六回 2020年11月24日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 タイプ論再入門

ユング心理学の中でも特に有名な「タイプ論」は「対立するものどうしの組み合わせ」をつうじてこころを理解する、ユング心理学の究極の目標そのものでもあります。タイプ論をいま、この世界に即した形で蘇らせるために、一度疑ってみることから始めてみましょう。「私は本当に〇〇的〇〇タイプだろうか?」




●第七回 2020年12月8日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
●第八回 2020年12月22日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 集合的なこころとは何か?──元型論再入門

「人間のこころは純粋に個人的なものとは言えない」。ユングのもっとも革新的な発想である、この集合的無意識論。いま、私たちが生きている世界の中で集合的なこころはどのような姿をしていて、私たちの人生にどう影響しているか? ユング心理学と私たちの世界とのリアルな関係を問い直してみましょう。




●第九回 2021年1月12日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
●第十回 2021年1月26日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 夢分析とアクティヴ・イマジネーション

ユング心理学とはユングが医師としての治療の経験をつうじて、そして自らを素材にしたこころの探求の末に、少しずつ形になっていったものです。今回はユング派の心理療法の代表的な技法である夢分析とアクティヴ・イマジネーションがどのようなもので、どのようにして生まれていったものなのかを見ていきましょう。




●第十一回 2021年2月9日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
●第十二回 2021年2月16日(火)19:15~ 4,620円(税込)※募集終了
 おとぎ話の心理学的解釈:入門

ユング派の分析家の訓練において重視されている「おとぎ話の心理学的解釈」。集合的なこころをどう理解するための最良の勉強法であるこの練習に実際に取り組みます。ユング心理学を使って考えるというのがどういうことなのか? そこにどのような意味があるのか? それを実感できる機会になるはずです。




<その他詳細>

【開催日時】 2020年9月より月2回・6か月間。全12回。※すべてzoom開催
19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)
【受講料】 各回4,620円(税込)
【最少催行人数】 10名
【申込み期限】 ※募集終了
【持ち物】 特にありませんが、みすず書房や人文書院などから出版されているユングの著作のうち、御自身の関心に近いものを読んでおかれると、よりいっそう楽しんでいただけると思います。

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座として販売されます)。ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。




講座の課題などで文章を書いてはいても、書けているのかわからない、これでいいのかどうか不安、という方もおられるのではないでしょうか。
作家などの書き手には、一篇、一冊を作るのに併走してくれる「編集者」がいます。
わたしたちがそのようにプロの手を借りるのはむずかしくとも、自身の中に「内なる編集者」を育てられたら、作品と向き合うのに大きな助けとなるでしょう。

この講座では、「内なる編集者」というもうひとつの眼を育てることを軸として、一冊の本を作り上げるための編集の「知識のいろは」、プロの編集者がどういった視点で作品を見るのか、作品を編集する方法から小見出しやタイトルの作り方などを、実践を通してお伝えしていきます。

第1部は、「編集」に関する必須の基礎知識、第2部は、基礎知識を知った上で、実際に手を動かしてもらいながら学びを深める「実践編」です。両方ご受講いただくのがおすすめです。

2020年8月開催の編集講座にご参加いただいた方にも、よりご自身の作品作りに近づく内容となりますため、たいへんおすすめです。

講師 白川貴浩(編集者)
2012年、NHK出版入社。主に教養書の編集・プロモーションをおこなう。担当書に『これからの本屋読本』(内沼晋太郎)『14歳の教室 どう読みどう生きるか』(若松英輔)『「読む」って、どんなこと?』(高橋源一郎)『自分ごとの政治学』(中島岳志)『お経で読む仏教』(釈徹宗)など。2019年に「学びのきほん」を創刊、シリーズ累計23万部を突破。ここ数年は日本大学芸術学部で出版に関する講義をおこなっている。



■若松からのコメント■
 真剣に文章を書きたいと思う人は、よき表現者であるだけでなく、編集者、そして校正者の眼も育てていくとよいと思います。
もちろん、そう試みても、編集、校正の専門家には遠く及びません。しかし、そうした「眼」が「言葉」を「文章」に変貌させていくのです。
 多くの言葉を覚えても、巧みな表現方法を覚えても、「編集」のはたらきが十分でないとき、記された言葉は、記号のようになってしまい、意味のある文章にはならないのです。
 編集者の白川貴浩さんとは、長く仕事をしてきました。彼はいま、大学でも教鞭をとっています。彼の講座は本当におすすめです。


<講座詳細>

【開催日時】2021年1月30日(土)
第一部 13:00-14:45(休憩、質疑応答含む)※募集終了
第二部 15:15-17:00(休憩、質疑応答含む)※募集終了


【講義の内容】 
第一部:編集者の「視点」を身につける
そもそも編集者はどんな「視点」で本を編集しているのか、「内なる編集者」をもつための解説をします。その上で、本の企画から完成までに編集者が何をしているのか、その一連の流れを共有します。さらに、造本・組版・校正・デザイン・イラスト・紙・製本・流通など、基礎知識を厳選して解説し、本の全体像を浮き彫りにします。
※2020年8月に行われた「一冊の本ができるまで」講座より、より「自分の本をつくる」ということにクローズアップした詳しい講座です。8月の講座をご受講された方も、また新たな視点でお楽しみ頂けます。

第二部:編集を「実践」してみる
原稿を編集する方法から小見出しやタイトルの作り方まで。第1部の「基礎」を理解したうえで、実際に手を動かしてもらいながら学びを深めていく「実習」をおこないます。なお、第2部では、実際に編集作業を経験してみたうえでの質疑の時間を取り、対話を深めながら学びを進めていきます。

【受講料】各4,620円(税込)
【開催形式】 zoom開催
【回数】 全2回
【最少催行人数】 10名
【持ち物】 赤ペンと黒の鉛筆をご用意ください。
当日に使用する資料をPDFにて配布予定です。第2部を受講の方は、「実践」に使う資料を印刷しておいて下さい。

【申込み期限】 ※募集終了

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座となる可能性がございます)。ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。




「読むと書く」を受講されるなかで、詩やエッセイなどの作品が手許にふえてきた方もいらっしゃると思います。自分の作品を、一冊にまとめたい。どこかでそう感じてはいるけれど、「まだ自分には早い」「具体的にどうしたらいいかわからない」「費用についても気になる……」。そんなお声を、たびたびいただくようになり、この講座を開催することになりました。
お話会のように気軽に、私自身が二冊の詩集をまとめたなかでの、着手から完成までの過程とその後を、お話しさせていただきます。一個人の小さな体験談ですが、ご自身の一冊をつくるための、ひとつの手がかりになりましたら幸いです。

一冊の本というかたちにすることで、作品にあらたな‘いのち’を吹き込むことにもつながります。その喜びを、ぜひみなさまにもご経験いただけたらと思っています。

※ご参考になればと、ご希望の方には第二詩集『せかいの織りなす瞬間に』(手製本)を販売いたします。(しおり代わりの糸に、数珠玉という野草の実をつけています)


講師 かさいあさこ
言葉とコトバ社(読むと書く事務局)スタッフ。大手・中堅出版社に15年ほど勤務し、おもに管理、制作部門を経験。言葉に出会いなおす必要を感じ、2014年より「読むと書く」教室を受講しはじめる。編集経験がほぼないなかで、2019年春に第一詩集『未見の園』、2020年秋に第二詩集『せかいの織りなす瞬間に』を私家版で制作。


<講座詳細>

【開催日時】1月18日(月)19:30-20:30(休憩・質疑応答含む)

【講座内容】 
・こんな本を、つくりました
・つくってみて、どうだったか
・なにからはじめたか
・どんな手順ですすめたか
・なにに困ったか

【受講料】
・講座のみ 1,650円(税込)
・講座+詩集 2,950円(税込)

【開催形式】 zoom開催
【回数】 全1回
【最少催行人数】 10名
【持ち物】 筆記用具
【申込み期限】募集終了

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座となる可能性がございます)。ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。



短歌の世界をかいま見ることで、「読むと書く」を深めてみませんか?

俳句や短歌のような短詩型文学では、「共有」や「共感」が鑑賞力に大きく関わっています。俳句が季語という「共感」を基本とするなら、短歌は「共感」の文学といってもよいかもしれません。文章を読むとき、「行間を読む」ことが大切だと言われますが、短歌を読むときには、とりわけ心を働かせる必要があるのです。
この講座では、さまざまな歌の「読み」を重ね、今も昔も変わらぬ人の心や自然の美しさを味わいたいと考えています。歌はとても小さな器ですが、激しい感情や広大な世界を注ぎ込むことができます。名歌を味わう中で、短歌を「詠む」楽しみもお伝えできれば、と思います。

講師 松村由利子(歌人)
1960年、福岡県生まれ。西南学院大学文学部卒。「かりん」同人。歌集に『耳ふたひら』『光のアラベスク』など。著書に『31文字のなかの科学』『与謝野晶子』『短歌を詠む科学者たち』など。絵本の創作や翻訳も。信濃毎日新聞書評委員。沖縄県石垣市在住。


<講座詳細>

【開催日時】2020年12月14日(月)19:15-21:00(15分程度の休憩、質疑応答含む)※募集終了

【講義・対談の内容】 
 前半:≪講義≫短歌を読む(短歌の特性、読み方のこつ)、若松英輔との対談
 後半:≪講義≫短歌を詠む(作歌の面白さ、歌で人生を記録する豊かさ)、若松英輔との対談

【受講料】 4,620円(税込)
【開催形式】 zoom開催
【回数】 全1回
【最少催行人数】 10名
【持ち物】筆記用具
【申込み期限】募集終了

※この講座は、録音をさせて頂きます(後日音声講座となる可能性がございます)。ご質問のお声なども録音をされますので、あらかじめご了承下さい。





「編集」と一口に言っても、その種類は本当にさまざまです。今回はその中でも、「本」の編集、特に「自分で」編集をしてみたいと思っている人が、その「きほん」を身につけるための講座を開催します。
本の編集に興味がある人から、自分で書いた何かを本にしてみたい人まで。「編集」という行為の一連の流れ、それぞれの奥深さをお伝えしながら、本づくりの醍醐味を共有することができればと考えています。
(今回の講座は「文章中心の本」を扱います。実用書など「ビジュアル中心の本」は扱いません)

講師 白川貴浩(編集者)
1988年、福岡県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。2012年、NHK出版入社。担当書に 『これからの本屋読本』(内沼晋太郎)『詩と出会う 詩と生きる』(若松英輔)『からだと こころの健康学』(稲葉俊郎)『はみだしの人類学 ともに生きる方法』(松村圭一郎)など。 2019年に「学びのきほん」を創刊、1年でシリーズ累計16万部を突破。


<講座の詳細>

教室名 zoom 最低催行人数 10人
開催期間 2020年8月1日(土)
第一部 13:00-14:45(15分程度の質疑応答含む)
第二部 15:15-17:00(15分程度の質疑応答含む)
持ち物 筆記用具と上製本(ハードカバー)の本を1冊。当日レジュメを配布する予定です。
回数 全2回 途中受講・1回受講 できます


<講座内容と各回のお申し込み> 

 

日付 講座内容 お申し込み
第一部 2020年8月1日(土)
13:00-14:45
※募集終了
「編集」ってなに?

まず、本を企画して完成させるまで、編集者が何をしているのか、一連の流れを解説します。そのうえで、本の種類・組版・校正・デザイン・イラスト・紙・製本・流通など、本を編集するにあたって知っておくべき基礎知識を厳選してお話しします。

この講座はzoom開催となります
第二部 2020年8月1日(土)
15:15-17:00
※募集終了
自分で本を編集する方法

まず、本を編集するにあたり大切にしたいこととは何か、その「視点」や「姿勢」を共有します。そのうえで、原稿の作り方、赤字の入れ方、キャッチコピーの書き方から、読者への届け方・売り方まで、編集の実際にまつわる具体的な方法を解説します。

この講座はzoom開催となります






※この講座では、講師による講義と、若松英輔との対談とを行います。
八六年の生涯を全うしたユングは数えきれないほどたくさんの書籍や論文を残しました。そのユングの著作を読むということは知らない「国」を訪れるのと同じくらい刺激的な体験です。けれども場合によってはそれが戸惑いに満ちた経験にもなってしまうのは、膨大な数に及ぶその仕事の全体像を掴むのがあまりにも大変だからです。
外国を旅をするとき、私たちはときどきガイドブックの助けを借ります。ガイドブックは実際に旅をすることの代わりにはなりませんが、読みながら空想を膨らませるのはじつに楽しいものです。あるいは旅の後で、その経験を振り返るときにもガイドブックは力になってくれます。そうしているうちにいつのまにか自分自身のガイドブックが出来上がっていくこともあるでしょう。
ユング心理学の広大な世界を旅する前に、一緒にガイドブックを眺めてみませんか?

講師 大塚紳一郎(ユング派分析家候補生、臨床心理士、公認心理師)
1980年、東京都に生まれる。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。2018年よりISAP(チューリッヒ)留学。訳書 ランク『出生外傷』(共訳、2013)メツル/カークランド編『不健康は悪なのか』(共訳、2015)ユング『ユング 夢分析論』(共訳、2016)同『心理療法の実践』(共訳、2018)同『分析心理学セミナー』(共訳、2019)チェインバーズ『心理学の7つの大罪』(2019、以上みすず書房)フェレンツィ『精神分析への最後の貢献』(共訳、岩崎学術出版社、2007)。


※なお、講師によるユング心理学の連続講座を、9月より開講の予定です。募集開始しだいにこのページに掲載いたします。どうぞお楽しみにお待ちください。

<講座の詳細>

開催期間 2020年7月14日(火) 19:30-21:15
(15分程度の休憩、質疑応答含む)
最低催行人数 10名
回数 全1回 持ち物 特にありませんが、人文書院やみすず書房などから出版されているユング本人の著作に目をとおしておかれると、より楽しんでいただけると思います。


<講座内容とお申し込み> 

 

日付 講座内容 お申し込み
全一回 2020年7月14日(火)19:30-21:15
《zoom開催》ユング心理学を歩く前に―若松英輔との対話 ※募集終了

 





 「哲学」と聞くと、抽象的で難解だというイメージを持つ人が多いかもしれません。
ですが、哲学は、日常生活から遊離したものではなく、むしろ、私達の生きている毎日の生活をより深く理解することを助けてくれるものでもあります。哲学に実際に触れてみると、意外となじみやすく、日常生活をより有意義におくっていくための洞察に満ちていることが分かると思います。
 誰もが毎日抱く「感情」という身近なテーマを取り上げながら、哲学史上最大の古典の一つであるトマス・アクィナス(1225頃-1274)の『神学大全』の日本語訳をみなさんと一緒に読み解いていきたいと思います。

講師 山本 芳久(やまもと よしひさ)
東京大学大学院総合文化研究科教授。1973年生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)でサントリー学芸賞受賞。著書に『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナスにおける人格(ペルソナ)の存在論』(知泉書館)。また、共著として、若松英輔・山本芳久『キリスト教講義』(文藝春秋)がある。


<講座の詳細>

教室名 下北沢教室 募集人数(最低催行人数) 20人(10人)
開催期間 2020年1月23日(木)~6月18日(木) 曜日・日時 木曜19:00~20:45(第1回のみ19:30~21:15)
回数 全6回 途中受講・1回受講 できます


<講座内容と各回のお申し込み> 

 

日付 講座内容 お申し込み
第1回 1月23日(木)19時30分~
※募集終了
テーマ:希望と絶望  トマス・アクィナスの感情論の最大の特徴は、一見とりとめのない心の動きと思われがちな感情に明確な論理を見出しているところに見出されます。人間の感情は、どのように区別し分類することができるのか、その基本を、「希望」と「絶望」という感情の分析を通じて明らかにしていきます。
第2回 2月20日(木)19時~
※募集終了
テーマ:「愛」を学ぶ (1)  「愛」という感情は、様々な感情の中でも、とりわけ強く人間を揺り動かす感情です。愛し愛されるということがあって初めて、人生を生きることにも意味が出てくるとも言えます。愛はどのようにして生まれてくるのか、その仕組みを学びます。
第3回 3月26日(木)19時~
※募集終了
テーマ:「愛」を学ぶ (2) 【講座開催中止のお知らせ】
都知事による外出自粛要請を受けて中止とさせて頂く事となりました。 ご参加予定だった皆様には後ほど別途メールでご案内をお送りいたします。お手数をおかけしますがご確認頂けますようお願い致します。
第4回 4月16日(木)19時~
※募集終了
テーマ: 愛と憎しみ 【講座開催中止のお知らせ】
都知事による外出自粛要請を受けて中止とさせて頂く事となりました。 ご参加予定だった皆様には後ほど別途メールでご案内をお送りいたします。お手数をおかけしますがご確認頂けますようお願い致します。

第5回 5月21日(木)19時~
※募集終了
テーマ: 喜びと悲しみ 緊急事態宣言を受けまして、音声講座へと変更させて頂くこととなりました。
お申し込みの方には、講座予定日より2週間前後で、音声データとレジュメをお送りさせて頂きますので、ご自宅でご受講頂けます。
第6回
6月18日(木)19時~
※募集終了
【zoomにて開催】
テーマ:若松英輔との対談「「生の技法」としての哲学」
音声講座の配信は、7月1日(水)の予定です。
※今回の音声講座には、配信後のご質問受付はございません。








 校正とは、文字や文章のあやまりを見つける仕事だと思われていることが多いようです。
 ですが校正とは、書かれた言葉を通して、書き手がまだ書くことのできていない言葉、書き手の中で書かれることを待っている言葉を、ともに探すこころみだともいえます。それは特別なことではなく、言葉を読み、書く人なら誰もが意識的にせよ無意識的にせよおこなっていることです。言葉のあるところにはすべて校正があり、誰もが内なる校正者のまなざしを持っているのです。
 この講座では、自分で書いた文章を自分で校正するためのコツや辞書の活用法など、具体的な実践をまじえてお話ししながら、みなさんの中にある、まだ書かれていない言葉を探すお手伝いができたらと考えています。

講師 牟田都子(むた さとこ)
校正者。1977年、東京都生まれ。出版社の校閲部に10年間勤務後、独立。これまで関わった本は『猫はしっぽでしゃべる』(田尻久子著、ナナロク社)、『詩と出会う 詩と生きる』(若松英輔著、NHK出版)、『ほんのちょっと当事者』(青山ゆみこ著、ミシマ社)など。共著に『本を贈る』(三輪舎)。


<講座の詳細>

教室名 下北沢教室 募集人数(最低催行人数) 16人(10人)
開催期間 2020年2月12日(水)、3月4日(水)、3月11日(水) 曜日・日時 19:00~21:00
回数 全1回 持ち物 筆記用具・お持ちの場合は、紙の辞書(電子辞書やスマートフォンでもよい)

<講座内容と各回のお申し込み> 

日付 講座内容 お申し込み
2月12日(水)19時00分~
※募集終了

書くための「校正」入門――自分の中の、まだ書かれていない言葉を探す
3月4日(水)19時00分~
※募集終了
 

書くための「校正」入門――自分の中の、まだ書かれていない言葉を探す
※2月12日(水)、3月11日(水)と同じ内容です。 

3月11日(水)19時00分~
※募集終了
 

書くための「校正」入門――自分の中の、まだ書かれていない言葉を探す
※2月12日(水)、3月4日(水)と同じ内容です。 



※記載の最低催行人数に満たず、開催しないことが決定しました際には、開催日を含めて3日前までにお知らせ致します。
※参加費用お振込後のキャンセルにつきましては、ご返金や別の講座へのお振替えはできかねますので、あらかじめご了承下さい。
※講師の業務スケジュールにより、日程や時間を変更させて頂く可能性がございます。
※過去にはまだございませんが、万一、当方の事情で不開催となった際には、後日、講座参加費をご返金致します。(なお、入会金、各自の交通費や宿泊費はご返金できませんことをあらかじめご了承下さい。)




若松英輔「読むと書く」運営事務局
E-mail :info@yomutokaku.jp
営業時間:月-金/9~17時(祝祭日・当社規定の休日を除く)
※営業時間外に頂いたご連絡は、翌営業日以降にご対応させて頂きます。